2026年6月27日土曜日

小幡さんのAIバブル崩壊論に納得

極端な意見を述べることが多い小幡績さんを私は好きである。私が同意できない意見を言うこともあるが、それでも好きである。はっきり物を言うひとは正直で潔い。

小幡氏はこれまでさんざん株式市場のバブルは崩壊すると言い続けてきた。本人も「予想を外し続けている自分」「私は逆神と思われている」と自覚しているが、バブルはいつ崩壊するかわからないのが普通なので時期は当たらなくてよい。今回のAI・半導体バブル崩壊の記事は、特に説得力のある記事だった。「AIの中核企業であるアンソロピックとオープンAIのどちらかは確実に消え」の記述を読んで、おぼろげに感じていたことを言葉にしてくれたと思った。高い確率で今回の小幡氏の予想は当たる。いや当たらなくてはならない。理由を以下に述べる。

私はアンソロピックのclaudeなしではもはや仕事はできない。それとアンソロピックが企業として持続性があるかは別の話だ。毎月100ドル払ってくれるユーザーが1億人いればアンソロピックは継続的に事業をやっていけるが、そこまで課金ユーザーは増えない。claudeに毎月100ドル以上課金して元が取れる人間は1億人もいない。今後増えたとしても1億人には届かない。もし1億人に届いたとしたら、それは社会が大幅に変わることを意味する。それもかなり悪い方向にだ。claudeを使いこなす1億人でホワイトカラーの仕事は全てこなしてしまうからだ。

世界の人口は80億人いて、そのうち働いている人は35億人だ。働き口は第一次産業が9億人、第二次産業が8.5億人、第三次産業が17.5億人だ。第一次産業と第二次産業は人間の身体が必要な仕事がほとんどなのでAIの影響を受けにくい。第三次産業の中でも介護や接客サービスは人間が必要なのでAIの影響を受けにくい。人間が必要な仕事についている人の数は第三次産業17.5億人の中の10億人だ。のこりの7.5億人がいわゆるホワイトカラーだ。1億人のAIを使いこなす人でホワイトカラーの仕事が片付いてしまったら6.5億人が失業する。35億人のうちの6.5億人は多い。しかもホワイトカラーはそれ以外の人より給与が高めだ。彼らへ支払う給与が消える(=その分の消費が消える)影響は大きい。消費が減少する影響は社会の全てに及ぶ。6.5億人が失業すると社会は大混乱に陥るだろう。これまで大した仕事もしていなかったのにでかい顔をしていたホワイトカラーが自滅しても、そんなのは知ったことかと思う人は多いだろうし、私もざまあみやがれと思う。しかし溜飲がさがるのと社会が大混乱に陥るのを防ぐのとでは後者を重視せざるを得ない。

今のレベルのAIでもその力を十全に発揮してしまうと、社会はディストピアと化するということだ。以前はAIが人間を超えるシンギュラリティに達すると社会がディストピア化すると警鐘が鳴らされていた。シンギュラリティに達するまでもなく、AIがそこそこ働けるようになるだけで社会はディストピア化するのだ。

だからAIバブルが弾けるのはディストピアを防ぐためにも必然だ。そこに自然に落ち込むのなら、社会は意外にうまく動いていると感心せざるを得ない。

2026年6月26日金曜日

Opus4.8がagentsを動かすと5時間枠を30分で消費し尽くす

Opus4.7ではこんなことはなかったが、Opus4.8では複数エージェントを使用すると30分で5時間枠を使い切る。Claude MAX(x5)の場合だ。Claude MAX(x20)なら、2時間は持つことになる。さらに100ドル払うことになるが、Claude MAX(x20)にアップグレードすることになるかもしれない。エージェント機能にはたいへん助かっており、文句を言うつもりはない。

2026年6月24日水曜日

それでも米国はNo.1であり続ける

米国の生活コストが高騰していて若年層と女性の国外移住希望者の割合が増えている。米国は住みにくい国になった。しかし研究開発をしたい人、ビジネスをしたい人にとって、米国より魅力的な国はない。他の国では自分の希望は叶わないという理由で、彼らは米国に引き寄せられる。米国の繁栄を牽引しているのは彼らのような優秀な人間であり、政治や暮らしに文句を言っている大衆ではない。そのため、どんなに米国が住みにくくなっても米国は技術でも経済でも世界のNo.1であり続ける。

優秀な人を集めたければ米国の真似をすればよい。研究者はコストをかければ集めることはできる。しかしビジネスをしたい人を集めることはどんなにコストをかけても中国や日本はできない。規制が厳しい国ではビジネスは始められないからだ。世界でいちばん規制が少なくて自由な国は米国である。米国に起業家が多いのは当たり前だ。

外貨のポートフォリオから米ドルを外すことは当面できそうもない。

2026年6月23日火曜日

知性は正のフィードバックがかかる

オルテガは「大衆の反逆」の中で "Noble es el que se exige mucho"——自らに多くを課す者が貴族である(何も課さない者が大衆)——と述べている。選良(貴族)はさらに学び、大衆は自分に満足していて傲慢なので学ばない。その結果、賢い人はさらに賢くなり、愚かな人は愚かなままとなる正のフィードバックが生じる。これを傲慢仮説と呼ぼう。

Heckmanの言う"skill begets skill"では、知れば知るほど次の一個を学ぶコストは下がり、学んだ結果の価値は上がると主張する。これを補完性仮説と呼ぼう。

「賢い人がさらに賢くなる」現象は傲慢仮説でも補完性仮説でも説明できる。そして我々の普段の暮らしからもそれは観測されている。知性に正のフィードバックがかかるのは自然なことらしい。

生物は魚くらいのレベルまでは強靭な身体を持つ個体が有利だった。しかし、恐竜、鳥、哺乳類レベルになると知性を持つ個体が有利になった。ライオンや狼は賢いものがリーダーになり、賢いリーダーに率いられた群れは上手に餌を取れるので生存の確率が上がる。魚レベルでも賢い個体の方が有利に見える事例もある。

生物は身体より知を重視した方が生き延びられそうだ。身体の強靭性より知性に優れる方が生存に有利なことは宇宙全体で通用する一般的な法則なのだろうか。将来、他の星系の生物のことを知ることができるようになると、それがわかるだろう。

2026年6月22日月曜日

パスキーの本質は生体認証ではなかった

パスキーがセキュアなのはスマホで顔認証や指紋認証をするからだと思っていた。ところがパスキーの仕組みを調べると生体認証は必須条件ではなかった。PCやスマホでパスワードやパスコードを入力するだけでもパスキーとして問題なく動作する。それだと以前のしくみに比べて安全になったとは言えないのでは?と感じる。実はパスキーの本質は通信路に秘密情報を乗せないということだった。パスキーを使う世界だと、ネットの通信内容を傍受しても攻撃の助けにはならない。

パスキーが普及しても、他人のスマホやPCを盗んでスマホやPCのパスコードを盗みだせば、他人に成りすまして悪用することができる。そんな状況になるのを防ぐためには、iPhoneやandroid端末やPCに本体の盗難に対応する機能を付加する必要がある。OSをアップグレードするたびに盗難に対処する機能が増えていくのはそのためだ。

2026年6月20日土曜日

パスキーで複数端末からログインできるか

ログインにはパスキーのみ許可とする金融機関が増えてきた。私は複数のPCと複数のスマホからログインするので、なるべくパスキーを避けてきた。しかしログイン手段がパスキーのみとなってしまうと、パスキーを使わざるを得ない。

困ったなと思って調べると、最近のパスキーは同期型が増えてきて複数PC、複数スマホに対応できる可能性があることがわかった。同期型と言っても、どの組織が同期を司るかで同期できる範囲が決まる。iCloud Keychainのパスキーなら、同一のapple IDを使っているmac/iPhone/iPadで共用できる。私はwindows機やandroidやlinuxでは金融取引をしないのでこれで十分だ。iPhoneにパスキーを登録すればよい。登録するiPhoneは専用の一台を決める必要はない。どのiPhoneで登録してもそれ以外のapple製品で使える。

2026年6月17日水曜日

発生確率250億分の1の異能生存体

どうも私の母がそうであるらしい。くも膜下出血で倒れた後、発見されるまで38時間も放置されていた。MRIを使った診断では出血が多く水頭症がひどくて脳は死んでいるはずで、たまたま脳幹が機能していて自発呼吸だけができているとのこと。手術などの治療は無駄だから何もしないことを医師から勧められて納得してそうした。普通はそのまま死ぬ重症なので、身体の汚れを拭きとっただけでベッドに寝かしておいた。1日1リットルのラクトリンゲル液を点滴しているだけ。最初はまぶたをこちらが指で開けても黒目は動かなかった。何も見えていなかった。37日後の今日は目でものを追えるようになった。話しかけたことにおうむ返しだが返答する。医師が言う「なぜ死なない」。Claude Opus4.8に状況を伝えると「医学的な常識からするとかなり例外的なことです」と言う。1日1リットルのラクトリンゲル液だけでは、脳出血がなくても栄養失調で死んでいるはずなのだ。

異能生存体が遺伝することに私は否定的だった。遺伝するなら発生確率は250億分の1より大きくなるだろうと。しかし、遺伝はするらしい。現在地球上に異能生存体は少なくとも2体いて親子関係にある。私は子供のころからやたら傷や病気の治りが早い。普通死ぬ事故にあっても死なない。単に運がよいくらいに思っていたが、母の不死身を見て運ではないことがわかった。遺伝だったのだ。

キリコがそうであるように、わたしも自分が異能生存体だからって無意味な無茶はしない。ダンプカーに生身でぶつかっていこうとは思わない。しかしダンプカーにぶつかったくらいでは死なないということは既に知っている。

私も母も生身なのだから寿命はあるだろう。不老不死ではないはずだ。