92歳の母が倒れて入院して10日になる。意識はないのだが、毎日見舞いに人が訪れる。実家の庭にいると、近所の人が「みかけないけどどうしたのか」と声をかけてくる。銀行でも、商店でも、郵便局でも、医院でも母のことを話題にする。ここは田舎の村だからだろうって?いやいや、都会である。車なしに歩きで生活できるエリアだ。緑は公園にしかない。
母は誰にも優しくない。子にも孫にも優しくない。思ったことをそのまま口にする。うそやおべんちゃらは言えない。それだけのことだが、親族にも地域の人にも愛されている。動物にも愛されるのだが、母は人間以外の生き物は全て大きらいだ。庭にやってくる猫と全力で戦っていた。棒を振り回したり、水をかけて追い払う。そして猫が来られないようにトゲトゲ置き物を30個以上家の周りにぎっしり配置していた。母が倒れてからその猫はとんと姿を見せない。母と戦えないので来てもつまらないのだろう。猫をかわいがる人は多いが、本気で戦ってくれる人などめったにいない。猫もぬるい生き方より、本気で戦う生き方をしたいのだ。
誰からも愛される母だが、母を妬んでいる人を3人知っている。天真爛漫で誰にも愛される母が妬ましいのだ。その3人は自分のことしか考えない醜い性格だ。当然人に好かれない。好かれるように振る舞おうとするが、やがて本質を見抜かれて人は離れてゆく。3人は母を妬むくらいなら性格を直せばいいのに。
アンゴルモアちゃんを「あの女〜」と妬んで嫉んでいるタママのようだ。タママはモアちゃんの輝きに目がくらんで、目をあけていられないので3人よりはまだマシか。