ユニクロで売られている男性用ズボンの形が毎年変わる。これは19世紀から続くアパレル業界の作戦だ。放っておくと普通の人は気に入ったデザインの衣服を消耗するまで着る。これではアパレル業界は儲からないので、毎年デザインを(意味もなく)変えるという仕組みをシャルル・フレデリック・ウォルトが1858年に発明した。それは成功した。
ごく少ない本物の美的感覚を持つ芸術家は、美的にも機能的にも無意味で、アパレル業界にお金を落とすだけのデザインを軽蔑している。それを着ている大衆も眼中にはない。
意味もなく太いズボンをカッコ良いと思って履いている人は哀れだ。美的感覚を磨いた方がよいと言っても才能がないのだから無理だろう。かわいそうに。永遠に流行に踊らさせられるピエロだ。同じことは車のフロントデザインにも言える。
本当に良い衣服を作ってもそれがわかる人が少ないことがアパレル業界の苦悩の原因だ。それゆえに1年ごとの無意味なデザイン変更をせざるを得なかった。彼らも気の毒ではある。同じ気の毒さは車のデザイナーにもある。彼らとてあんな醜い車は作りたくないだろうが、センスのない大衆向けにはそちらの方が売れるのだから仕方がない。




