高市氏は以前から積極財政を主張している。国債発行をしてでも減税をする、補助金を出すなどして日本経済の活性化を目指している。この政策は5年前までなら望ましいものだった。しかし、今は世界の情勢が変わった。5年前までなら許された日本の財政赤字が今は許されなくなった。それは長期債の入札不調や金利上昇で示されている。高市氏の政策が推し進められる結果、かなりの円安と金利上昇が押しよせることが予想される。高市氏は苦境に陥るだろう。私は高市氏を支持しているだけに、彼女が総理大臣になるのが遅すぎたのが悔やまれてならない。
優秀な人は5年前と今では赤字国債の発行額がびっくりするほど増えた訳ではないのに、なぜ今積極財政をしてはダメなのかと疑問に思うだろう。今ダメなら5年前でも既にダメだっただろうと。非常によい質問だ。経済学は数式をこねくり回すことが主流になってきたが、いちばん重要なのは人の心理だ。なぜなら経済で最も重要な概念「信用」は人の心理で決まるものだからだ。どんなに借金を重ねている人(あるいは国)でも、「あの人なら大丈夫だ」と思われているなら信用はある。信用があると思われる理由は経済力や国だと軍事力がベースではあるがそれだけではないので数値化はできない。軍事力の多寡で信用が決まるならロシアは信用がある国となってしまうが、そんな訳はない。信用は心理で決まる。5年前と今では日本に対する世界の心理が変わった。今の日本には信用がない。なので減税すると言えば、世界はノーを突きつけてくる。高市氏がこの心理を変えてくれるならよいが、極めて難しい挑戦となる。私は高市氏を応援し続けるが、うまくゆくと楽観はしていない。
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