日経新聞電子版に円「最高値」から30年安いニッポン返上へ債券自警団も応援なる記事が載った。今後は円高になるかもしれないという論調であり論理に破綻はないのだが、よく記事を読むと希望的観測を述べていることが分かる。当該記事に載っていたグラフが以下だ。円の実質実効レート(黒線)とドル円相場(青線)のふたつの線をプロットしている。
記事ではグラフ中の黒線で表している円実質実効レートが昨年に底を打って反転したことを重視している。反転の勢いで上昇してこのまま円高になれるかもしれないと述べている。そして、その考えをサポートする事実をいくつか挙げている。
しかし、このグラフを先入観なしにながめると黒線はそのまま下がると考えるのも自然である。今の円実質実効レートは70で、これと同じ値だったのはグラフから1972年だと読み取れる。1972年のドル円相場は300円だった。これらのことからドル円相場は今後は円安になって300円に近づくと考えた方が自然だと思うのだがどうだろうか。
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