2025年1月18日土曜日

組み立てているだけなのに自作PCと呼ぶ恥ずかしい連中がいる

自作PCは部品を組み立てているだけだ。つかう工具はねじ回しくらい。ガンプラを組み立てる方がよほど難しい。これで「自作PC」とか言っている連中は恥ずかしくないのか。組み立てただけのPCを自作PCと呼ぶ連中は、実力がないのに自分を大きく見せたい情けない性格の連中なのだろう。

連中の言うことを真に受けたら、自動車のエンジンを交換しただけで「自作自動車」と呼ばなくてはいけなくなってしまう。自動車のエンジンを交換するのはかなり難易度が高いが、種類の違うエンジンに換装したとしても自動車業界の人は「自作自動車です」なんて言わない。シャーシーとボディを鋼材からスクラップビルドで作って初めて「車を作りました」と言ってよい。

私は1980年に1978年発売のMZ-80Kを買った。これは部品をはんだ付けすることが必要なPCだが、自作PCとか自作マイコンとは言わなかった。普通の人とは順番が逆だが、その後マイコン作りをした。回路設計/基盤製作/部品集め/はんだ付けを行ったが、できあいのCPUである6800を使ったのだから出来上がったマイコンを自作と思ったことはない。ハンドアセンブルで作って入力していたコードは自作という認識はあったが、それはソフトウェア作成であってハードウェアを作ったわけではない。1990年から80486とPentiumとその互換CPU(AMD/Cyrix/Centaur Technology製)を使ってPC/AT互換機を100台以上組んだ。工作機械を使って鋼鉄のケースを加工したこともあるが、自分がPCを自作しているなんて認識したことがない。私は単に組み立てていただけだ。言葉の上でも「PCを組む」と言っていた。

人類が生まれてから、コンピューターを回路設計から行なって作ったことがある人は高々十万人しかいない。真空管で構成されたエニアックを作ったジョン・モークリーとプレスパー・エッカートがそうだし、よく知られている人だとapple Iを作ったスティーブ・ウォズニアックがいる。

ジョン・モークリーとプレスパー・エッカートはCPUアーキテクチャを考え回路設計をした。しかしウォズニアックはCPUはできあいの6502を使った。メモリチップもロジックICもできあいのものを使った。それらを組み合わせる回路設計は彼が行った。ウォズニアックのようにできあいのCPUを使ったとしても回路設計を自分で行った場合は自作と言ってよいことにしたい。CPUも自分で設計しないと「自作」とは言わないという厳しい定義もできるが、そうするとウォズニアックですらコンピュータを自作したとは言えなくなる。そこまで範囲を狭くするとコンピューターを自作できる人って人類の中の選ばれた数千人になってしまう。

自作状況は改善していてHDLによる回路設計ツールが普及価格になった2000年以降は、趣味でオリジナルアーキテクチャのCPUを自作することができるようになった。これによりCPUを自作できる人は今後は数万人に増えるだろう。RISC-VなんてオープンソースのIPコアも生まれた。

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