ところが最近ちょっと不思議な現象に気づいた。本を読み始めても「この本を読み続けるのは時間の無駄だ」と思う機会が増えた。昔からそういう本はあったが、最近は本屋や図書館に並んでいる科学技術や経済の本の大半がそれになった。小説は相変わらずどれも面白いが。
自分が基本的な知識を身につけるには何億年もかかる、つまり死ぬまでに学び切ることはあり得ないと思っていたので、このような状況になるとは予想もしていなかった。そこでこの状況の理由を考えてみたのだが、物理学や数学や生理学の基本を身につけたからではないかと思う。これらの基本を身に付けることは予想外に短く50年くらいで済むことだったようだ。その後はそれらの応用は意外と簡単に府落ちできるみたいだ。世の中にはいろいろな学問があるが、物理学(天文学含む)と数学と生理学(=医学+生物学)が「哲学」と呼ばれた。文明が起こってから近代までは天文学や物理学が哲学と呼ばれていた。今は認知心理学や脳神経学が哲学と呼ばれている。つまり物理学と数学と生理学だ。哲学はものを考える上の基礎なので、哲学の基本を身につけると他の学問を学ぶときに便利になるということだ。
私の寿命は遺伝的に長いと思うが、それでも130歳くらいだろう。のこり60年で読める本の数は限られている。のこされた時間を有効に使うためには、読む本の選別にもっとコストをかける必要があると思える。タダだからって読み始める癖はやめないと。
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