2025年1月2日木曜日

ケインズの1日3時間働けばよいという予想は当たったものの

1930年、経済学者のケインズは「孫たちの経済的可能性」という講演で、100年後(2030年)の経済予測について以下のように述べた。「生産性は今の4倍から8倍に上がり、1日3時間、週15時間の労働で生活に必要なものが得られるようになる」と。

この予測は当たった。今の生産性は1930年に比べると7倍になっており(ケインズが数値の予測を当てたことは驚くべきことだ)、衣食住に関して言えば、全人類が1日3時間働けば、みんな腹一杯食べることができて暖かい衣服を着て屋根の下で眠ることができる。

現実はみんなもっと長く働いているのに、食べ物や住むところに困っている人がたくさんいる。それはなぜか。それは衣食住に関わるエッセンシャルワークだけなら3時間で済むのだが、意味のない仕事すなわちブルシットジョブに余計な時間を取られているからだ。困ったものだが、ブルシットジョブで潤っている人はその既得権益を手放そうとはしないので、それらの仕事がなくなることはない。だからこの状況は改善しない。エッセンシャルワークをしている人も過酷な労働のストレスを発散するために推し活とかホストクラブ通いなどの意味のない趣味(ブルシットホビーとでも言うべきか)にお金を費やしている。これではさらに長時間働かないと生きていけない。ますます状況は悪化している。

この状況を改善するためには、経済政策だけでは足りない。教育の改善が必要だ。人は何のために生きるのかを各自がよく考えるようにしなければならない。個人的には仏陀の教えを学ぶのが良いと思うのだが、寺の住職がそもそも仏陀の教えを理解していない現状では正しい教えを学ぶのは困難だとも思う。正しく学ぶにはナイフ一本持って1ヶ月山籠り修行をするみたいな荒業が必要だ。

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