2024年10月22日火曜日

民主主義の危機を乗り越えるにはひとり一票の投票制度を改革すればよい

衆院選の論点のひとつが夫婦別姓制度の是非だ。たいていの人はそんなどうでもよいことは放っておいてもっと重要なことを議論してほしいと思っている。
今の日本で重要なことは未来へ希望の持てる計画を定めることだ。最重要なのは教育の充実、次は社会保障の無駄の排除、次は国内の治安を守るための外国には普通にあるのに日本にはない法律の立法だ。こんな政策を具体例を持って主張する政治家は稀だがいることはいる。有権者はその稀な政治家に投票すればよいだけなのだが、そうはならない。有権者たる国民が物事の重要度を正しく判定できない無能だからだ。ではどうすればよいか。
バカを利口にするためには教育が必要だが、バカは教育が嫌いなので教育を充実させようとする計画には反対する。民主主義は多数決なので、バカが多数派になってしまいバカがバカで居続けることを選好してしまうと、その状態から抜け出すことはできなくなる。これを詰んでいると言う。
この詰み状態は日本が最も顕著だが、世界の民主主義国は程度の差はあれすべてこの状況に陥っている。チャーチルの言った「民主主義がそれでもいちばんマシ」というのはあっているが、そろそろ民主主義をアップデートしないと人類はジリ貧だろう。ギリシャ時代からわかっている人はわかっていたのだが、民主主義がダメなのではなく「ひとり一票」の投票制度がダメなのである。ここに気づければ民主主義は立て直せる。
利口な人が投票すればよいことをする政治家が選ばれて社会がうまくいく。全員に投票権があってかつバカが多数派だとバカの意見により利口な人の意見が黙殺されるから社会は破滅する。だから教育を充実させて利口な人を多数派にしようと近代社会は努力してきた。教育こそ最重要という論理は「ひとり一票」を無意識に絶対のものとしているから存在する。利口な人の意見を生かすためには教育充実以外にもうひとつ方法がある。利口な人ほど投票権を増やせばよい。20世紀までは利口な人を判定するうまい基準がなかったので、これはうまく機能しなかった。新しい知見と技術を使って利口な人を判定することができれば、利口度に合わせて投票権を増やすことができる。
これまで利口判定に失敗した方法とその理由を挙げよう。うまい方法を思いつくヒントとなるだろう。
  1. お金持ち→金持ちだからって利口とは限らない
  2. 男性→男性だからって利口とは限らない
  3. 暗記物試験(科挙試験等)に合格→暗記が得意だからって利口とは限らない
これらの方法が失敗した理由は判定基準がよくないことが第一だ。そして投票権を有り/無しで決めていたことが失敗を拡大させている。大学の入試に合格したからって利口とは限らないのは事実だが、入試の点に比例して利口度は高いだろうと推定するのはそれほど無茶な理屈ではない。1000点満点で900点の人の方が100点の人よりは物事の正しい判断をするだろう。ならば投票権を有り/無しではなく1000〜0の数値で表すとよい。試験の結果が900点の人には900票を与えて100点の人には100票を与える。これなら誰でも1票よりはかなりマシな投票結果になるのではないか。900票もらった人がたまたま変な思想にかぶれていたとしても、他の何百票かもらったたくさんの人の意見でそれは否定されるのでおかしな結果にはならない。

他にも投票権を貯められるQVなんて投票制度も提案されている。それも併用するとよいと思う。

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