2024年3月19日火曜日

AIを使えるだけで年収2500万円だって

この間一緒に飲んだ大学の先生が嘆いていた。「せっかく優秀な学生なのに博士課程をほっぽりだしてすぐ企業に就職してしまう」。技術系とくにAI技術系の人材はひっぱりだこらしい。アイティメディアには年収2500万円という景気のよい記事が載っていた。

この記事で言うAI技術者というのはAIを研究している人たちのことではない。出来上がったAI技術を使って、現実のいろんな問題を解決する人たちを指す。これはAI技術の中身を理解していなくてもできる。CPUの中身たるアーキテクチャを知らなくてもプログラマーになれることと同じだ。

これはこれで立派な仕事だし、仕事内容の割に高給で効率のよい仕事だと思う。うちの職場の連中はこのような求人にすぐに採用してもらえるスキルがあるのに滅多に辞めない。数年前から100人に一人くらいポツポツ辞めているが、その程度だ。最後まで勤め上げて研究所長になっても年収は2500万円に届かないし、途中で辞めて大学教授になっても年収は2000万円はいかない。だから転職してAI技術者になった方が経済的には有利なのにみんな辞めない。みんな本当に研究が好きなのだと思う。

もうひとつの理由は、AI技術者はAIの中身を知らないでやっているので「カッコ悪い」と思っているからだ。車のエンジンの中身を知らず修理や整備もできないのに車を語る連中はカッコ悪い。それと同じだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿