2023年12月28日木曜日

1940年だと日本軍の方が米軍より強かった

アバロンヒル社のSquad Leaderを40年以上プレイしている。歩兵戦闘のシミュレーションゲームだが、エキスパンション第2弾のCross of Iron以降は戦車戦主体のゲームとなった。その後Steel Panthersとしてコンピューターゲーム化され、いくつかの派生ゲームができて今に至る。

Squad Leaderから勘定すると総プレイ時間は10万時間を超える。プレイヤーは好きな国を選べるので、あらゆる国でプレイしたが、数で劣るドイツ軍やフィンランド軍としてプレイするのがやりがいがある。そして最近、米軍として日本軍と戦ったことがないことに気づいた。米軍としてドイツ軍とはさんざん戦ったが、日本軍とは戦ったことがない。だって、日本軍のブリキの戦車に勝ったって何もうれしくない。勝って当たり前なのでやりがいがない。

今回は米軍を選び、初めて日本軍相手に戦ってみた。史実では太平洋戦争は1941年12月8日に始まったのだが、ゲームでは任意の日時を選べるので1939年から始めてみた。そしたらとんでもない事態になった。日本軍相手に勝てないのだ。

米軍にはM2軽戦車があって、戦車相手には強力な37mm砲を装備しているが、37mm砲の榴弾を歩兵に向けて撃っても大した効果は望めない。車載機関銃ならそこそこ威力はあるが近づかないとなかなか有効打にならない。戦車が対歩兵戦で役立たないとしても歩兵の火力で圧倒できるだろうと戦闘を始めたが、撃っても撃っても日本兵は撃ち返してくる。そうこうしているうちに、米兵のすぐに戦意を喪失するという弱点が効いてきて、米軍は逃げ出すハメになった。なぜこんなに米軍の火力が弱い?

調べると1939年当時の米軍が装備していたのはスプリングフィールドのM1903というボルトアクションライフルだった。有名な半自動小銃M1ガーランドが米軍に行きわたったのは1942年以降だった。M1903は日本軍の三八式歩兵銃と火力も精度もほぼ同じだ。だから撃ち合うと互角なのは当たり前だ。すぐにやる気をなくす米兵の弱点があるので、同条件で撃ち合うと日本軍が勝つ。なんてこった。

じゃあ戦車を前面に押し出せば勝てるかと思ったが、それも間違いだった。M2軽戦車は装甲が25mmで、37mm砲の装甲貫通力は50mmだ。日本軍の九七式中戦車は装甲は20mm未満と薄く、搭載している57mm砲の装甲貫通力は25mmしかない。M2軽戦車の37mm砲は日本の57mm砲よりはるかに強力なので遠距離からでも九七式中戦車を破壊できる。九七式は近づかないとM2軽戦車の装甲を撃ち抜けない。九七式は中戦車なのにM2軽戦車より弱いところが情けない。しかし九七式が手も足もでないという訳ではない。九七式に対峙するときは、それなりに工夫して戦わないと強いM2軽戦車でもやられる。これがM4シャーマン中戦車なら口笛を吹きながら九七式を蹴散らせたのだが、M4シャーマンが配備されるのは1942年以降だ。M2軽戦車で日本の戦車を苦労して排除しても、その後M2軽戦車が随伴歩兵なしで突出すると日本兵の手榴弾+火炎瓶突撃にあって、けっこう撃破される。つまり戦車で日本兵を圧倒するという戦い方はできない。

じゃあ、航空支援を頼もうと無線でP-26戦闘爆撃機を呼んだら日本の九二式重機関銃に撃たれてバタバタ落とされてしまった。そんなあ。

1941年までの日本陸軍は米軍に比べるとかなり強い。これはゲームとしては面白く、がぜんやる気が出てきた。なんとか知恵を絞って日本軍に勝ちたい。

米兵が欧州で戦ったのは1944年6月のノルマンディー上陸作戦以降が主だが、もし1942年以前に米軍がドイツ軍と戦っていたら、ドイツ軍は日本軍よりはるかに強いから米軍はボロボロに負けていただろう。

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