サヤ取りで年利100%以上の成績を何年間も連続してコンスタントに出している人がいる。勝率が8割を超えていて私から見たら神技だ。その人の仕掛け理由を教えてもらうと、上がりそうな銘柄を買って、下がりそうな銘柄を売っているとのこと。そしてそれが当たっている。上下を当てられるなら普通に片張りすればよいのにと思うが、相場の急激な変動時の対策としてサヤ取りの形にしているそうだ。このレベルに達するのにどれくらいの勉強をしたのだろうか。初心者にできることではない。
オプション戦略と言えばストラングルとかストラドルとかをイメージするが、これらの手法で儲かっている個人投資家を私は知らない。実際にやってみればわかるが、上下にスプレッドを組んでも片側は無駄になる。どちらかが無駄になるので、そちら側の仕掛けコストは利益を減らす。原資産に想定外の動きをされると損切りも必要になる。資金の増減はコツコツ増えてドカンと減るパターンになる。コツコツドカンでコツコツ分が少ないと資金が減っていく(経験談)。
流動性が低い場合は、手動でスプレッドを注文するときの各仕掛けのタイムラグのために不利に約定するという問題もある。これもコツコツ分を減らす原因になる。スプレッドの自動注文は米国の証券会社のツールでないと実装されていない。
そこでオプションの数を減らすために両側ではなく上方向か下方向のどちらかだけに仕掛けるようになる。この場合はオプションだけでスプレッドを組んでも良いが、現物(先物)とオプションの組み合わせの方が好まれる。機関投資家が現物ポジションのヘッジのためにオプションを利用することがあるが、これも現物とオプションの組み合わせと言える。
現物の買いとコールオプションの売りがカバードコールとしてよく知られている。これと対をなすのがプットオプションの売りであるターゲットバイイングだが、ターゲットバイイングはカバードコールほど使われていない。
私はカバードコールを定常的に仕掛けているが、原資産となる株式の値動きが予測できないと儲からない。株価が大きく上がると分かるのならカバードコールを仕掛けずに普通に現物の買いだけで持っていた方がよい。下手にカバードコールを仕掛けると行使価格以上に株価が上昇したときに取れたはずの売却益を失って泣きをみる(経験談)。株価が大きく上がらないと予測するからオプションを売る(カバードコールを仕掛ける)のだ。オプションの売りの本質的な意味(ボラティリティが低いままと予想するから売る)からしてもそれは当たり前だ。つまりオプション戦略を仕掛ける時には株価の将来の見通しがある程度ないと仕掛けるタイミングを決定できない。
ついでに言うとカバードコールを仕掛けるには現物の買いポジションが必要だが、現物の株価が大きく下落したらカバードコール云々以前に大きく損をする。現物の買いポジションを作るときにもその株価が大きく下がらないという将来見通しがないとできない。
大きく下がりも上がりもしないという銘柄ならカバードコールで儲かるかと言えば、それもそんなに甘くはない。そのような銘柄はボラティリティが低いということなので当然オプションのプレミアムも安い。つまり大きく儲からない。
結局、カバードコールで効率的に儲けるためには、株価がどのように動くかの見通しが必要になる。でも、それができるのだったら普通に片張りすればよいよねと言うことになる。
私はカバードコールでコンスタントに利益を積み上げている(いまのところはだ)が、これは片張りの「うねり取り」を行なっているのと等価であると最近は思っている。
投資の取引手法は、現物、信用、先物、それらのレバレッジの大小、裁定取引、オプションなど千差万別だが、リスクとリターンのバランスはどれも同じだと最近は思う。もし極度によい手法があれば、みんながそれをやるはずだがそんなことはない。
ただし、市場参加者が合理的ではない人間であるということを理由として、リスクとリターンのバランスがどれも同じとは言えない状況が発生する。それこそが相場で大きく儲けるチャンスだ。それについてはまたいつか書こう。
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