2023年2月18日土曜日

これからオレオレ詐欺に参入するのは手遅れだよ

マスコミに騒がれているので、今がオレオレ詐欺全盛期だと思いがちだが、それは間違いだ。統計によると詐欺にあった65歳以上の数は2000年は25万人だったが、年々減っていき2020年には7万5千人になった。今も減り続けている。電話をかけてもひっかかる高齢者の数は減っている。だからこれからオレオレ詐欺に参入するのはあまり得策ではない。

この後に及んでまだ騙される高齢者はただのバカだろというのが大多数の意見だ。私もその意見には同意していたが、老人ホーム入居権詐欺の詳細を知って、これは騙されても仕方がないと思うようになった。

なぜか報道では詐欺の内容は「老人ホームの入居権を譲ったら、後でそれは犯罪だとの連絡が来て、問題を解決するためにお金を払ってしまった。」と1行で終わる。これだけ読んだら、こんな単純な詐欺に騙されるなんてただのバカだと思う人が多いのもうなずける。ところが、本当はもっと複雑なのだ。複雑なやりとりを報道すれば騙される人が減るだろうにと思うのだが、バカのマスコミは犯人を利するからとかシリアに折り鶴を送るのと同じくらい自己満足な理由をあげて詳細を報道しない。まさにマスゴミだ。

本当のやりとりはこうだ。

犯人:老人ホームの入居権の封筒が届いていませんか。

被害者:いいえ、届いていません。

犯人:入居権を譲ってほしいという人がいるのですが、迷惑をかけませんので譲ってください。

被害者:いいですよ。

犯人:手続きやお金のやりとりは全てこちらでしますので、老人ホームから連絡があったら了解済みだと答えておいてください。

しばらくして

老人ホーム(犯人):入居金が振り込まれましたが、出金元があなたではなくX社からとなっています。どういうことですか。

被害者:何も知りません。

老人ホーム(犯人):X社は名義貸しをする犯罪集団です。あなたはその関係者ですか。

被害者:違います。何も知りません。

老人ホーム(犯人):なるほど、あなたは善意の被害者ですね。それでは警察に捕まらないようにこちらも手を尽くしますので、いっしょにがんばりましょう。

被害者:よろしくお願いします。

この後のバリエーションはいろいろ。偽警察が出てきたり、偽弁護士が出てきたり、偽金融庁が出てきたり、いくらでも派生ストーリーは作れる。ストーリーに犯人と被害者だけでなく、被害者の味方(実は犯人)が出現するのがポイントだ。被害者は、犯人は信用しないが味方は信用する。味方から「他人に知られないように」と言われたら誰にも相談しない。なかなかうまい手口だ。

この手口を聞くと「この手口はいかにも成功しそうだから俺も参入しよう」と意欲が湧く人がいると思うが、それは甘い。老人ホーム入居権詐欺は2000年から存在している。それで捕まった犯人が5年の刑期を終えて出所しているくらいだ。もう古い。使われていた名簿はさんざん電話をかけた後で、高齢者は学習している。今電話しても引っかかるのは何万人に一人で、お金を送ってくれる人はさらに少ない。AI(chatGPTではまだ無理だが)が代わりに電話してくれるようにならないと手間だけかかって元が取れない。詐欺の件数が減っていて、昔に比べて警察の捜査員に余裕があるので捕まる危険性が高い。やめた方がよい。


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