2023年2月14日火曜日

2023年のドル買いフローは2兆円なので円安はそんなに進まない予想

日本は対外純資産400兆円に対する配当や利子で毎年10兆円分のドルを受け取る(後で知ったが2022年は円安のせいでこの受け取りが30兆円に増えたのだそうだ)。これは貿易収支にはカウントされない。貿易収支は2010年までは黒字で、これによってもドルを受け取っていた。だから日本の企業には貯金がたくさんある。
2011年から貿易収支が赤字になる年もちらほら出てきた。2014年は14兆円の赤字になった。しかし2016年には黒字に戻って、それ以来貿易収支はほぼプラマイゼロのトントンで推移してきた。ところが2022年にいきなり20兆円の過去最大の赤字になった。原因は石油と天然ガスの価格が上昇した+円安になったからだ。2022年は20兆円分のドルを払う必要があった。それとは別に最初に述べた10兆円分のドル受け取りがあるから、実際にドルの支払いは10兆円分だ。この10兆円をドル建てで預金しておいたお金で払うのなら為替には影響がないが、民間企業はドルでの預金はあまりしないから、円をドルに換える必要があった。円を売ってドルを買うから為替は円安ドル高になる。それが2022年の1ドル=151円の円安の理由のひとつだ。
2023年は石油の価格が下がった+円高になったので、貿易赤字は12兆円になる予想だ。2023年も10兆円分のドルの受け取りがあるから、実際のドルの支払いは2兆円分だ。2022年の10兆円支払いに比べるとずいぶん少ない。となると2022年の1ドル=151円のような円安にはならないだろうと予想できる。貿易収支が今後黒字に転換する予定はなく、毎年数兆円のドル支払いが続く。数兆円と言えどもそれが毎年円からドルへ交換されていけば、少しずつ円安が進む。ドル円チャートのテクニカルから予想すると10年間で30円くらいの円安になりそうだ。1年あたりだと3円だ。ドル円の為替相場は1年の中で10円くらいの幅で上下するので、3円というのはずっと後になってから1年あたり3円だったと分かる程度の値だ。
1年あたり3円と円安がゆっくりだから、日本のインフレもゆっくりしか進まない。去年と今年は急にインフレ率が0%から2%超えになったから物価高の印象が強いが、来年以降はまたインフレ率は1%以下になるだろう。そうなれば、政府も対処しようと思わなくなる。政府はこれまで同様の無策に戻る。改革には国民の痛みを伴うから無策でいる方が国民から文句を言われない。
つまりこれまでの失われた30年間と同じようにこれからも誰も何もしない期間が続く。ゆでガエル状態だ。カエルが茹で上がって、このままでは死んでしまうとジタバタし始めるのは今から30年後の2050年だと予想する。そのとき私は90歳を超えている。普通の身体なら寿命で死ぬ歳なので社会がどうなっても知ったことではないで済むのだが、私はひどく強靭な肉体を持っているので110歳くらいまでは死にそうにない。面倒だが90歳以降の生き方を計画しないといけないようだ。お金は心配ないのだが、野盗・野伏せりから自宅を守るのに頭を使う必要があると思う。あ、本当に危なくなれば外国へ移住すればよいのか。じゃあ、あまり心配する必要はなさそうだ。

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