2023年1月16日月曜日

魚は数を数えられるか

ブライアン・バターワース著のcan fish count?を読んだ。

赤ちゃんが足し算引き算ができるかの実験が面白い。赤ちゃんは不思議なものを見ると長く見つめる性質がある。本書とは別の実験で、ディスプレイの中の空を飛ぶはずがないキャラクターが空を飛ぶとそれを長く見つめた。赤ちゃんは物理の基本を理解している。

本書では生後4~5か月の赤ちゃんに参加してもらった。舞台に人形を1体置く。次に舞台に幕を引き、見えなくする。大人が舞台の上から人形を1体舞台に置く。大人の動作は赤ちゃんに見えるようにしておく。次に舞台の幕を開ける。人形が2体あれば赤ちゃんはただ見る。ところが人形が1体や3体だと赤ちゃんは舞台を長く見つめる。1+1=2でないとおかしいからだ。
最初に人形を2体にしておき、1体を取り去る実験でも1体残っている場合以外では赤ちゃんは長く見つめる。
赤ちゃんは足し算も引き算も理解しているのだ。誰に教えられた訳でもないのに。

数詞が2までしかないアボリジニの子供たちにもっと多くの数を扱うパズルをしてもらった。彼らの成績は英語の普通の教育を受けていたオーストラリアの子供たちと同じか、それよりも優秀だった。文字や言葉で教えられなくても人間はもともと数学ができるのだ。

こんな研究を知ると人間の未来に希望が持てるのだが、それに比べて学ぶことを放棄したたくさんの日本人を見ると「こいつら人間なのか?」と思わざるを得ない。

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