- 人間の生きる意味は「長く生きること」が最重要と日本人は思い込んでいる。諸外国でアンケートをとると「よく生きること」「楽しく生きること」「周りのために生きること」などが重視される結果を得るが、このような考えは日本人には珍しい。
- 日本人は自分と他人が違うことを嫌う。特に自分が他人より劣っていると認めるのを嫌う。つまり自分の失敗を認めない。優れた人をそれと認めるのも嫌うので優れた人の足を引っ張る。
このふたつの性質から、日本の歴史上の問題がすっきり説明できる。
回復の見込めない寝たきり老人は日本にしかいない。昨日述べたように延命のために胃ろうをするのは今では日本だけだ。寝たきり老人は本人が苦しい、介護する家族が苦しい、費用を負担する社会が苦しいと三重苦であり誰にも良いことはない。こんな状況をなくそうとするのが普通なのに、政府は高齢者の医療を変えようとせずこの状況を維持しようとしている。これは政治家が悪いのではなく、国民がそれを希望しているからだ。これは上記1.の人間の生きる意味を国民が深く考えない性質から来ている。
第二次大戦で作戦が失敗したのを認めず、それを反省したり教訓にして作戦を組み立てなおしたりをしなかった。そのせいで国力の差以上の大負けをし、多くの兵士と国民を死なせた。これは書籍「失敗の本質」に詳しく述べられている。失敗を認めないのは上記の2.の性質から来ている。
企業の生産性が上がらないため、労働者の給与が増えない。生産性が上がらないのは労働者の流動性がないからだ。自分に向かない仕事をいやいや続けなければならないのなら、効率は上がらない。自分に向いている仕事を見つけるため自由に転職することが日本ではできない。それをやって一歩間違うと日本では人生が修復不可能になる。年功序列と、正社員であれば無能でも解雇できない法律があるのが原因だ。非正規社員であれば有能でも解雇される。有能、無能を客観的に判定して、それに見合う待遇を社員に与えることができない。これは上記の2.の性質から来ている。自分が解雇されるのを防ぐため、正社員を解雇できない法律を無能は支持している。しかし彼らは非正規社員の解雇には反対しない。無能は自分だけよければ良いという輩が多い。無能な上に性格も悪かったら、人として終わっている。
他にも日本の問題は挙げればきりがないほどあるが、それらがほぼ上記ふたつの性質で説明できることが分かる。このふたつの性質は改めるべきだが、悪いところを認めて改めることができない2.の性質があるからそれは難しい。改めることができるのなら日本人はとっくにそれをやっている。
それでは我々はどうすればよいのか。愚かな大衆のことなど気にとめないで、せめて自分とその周りだけはなんとかしたいと思うだろう。答はある。実はかなりの人がその答に気付いて実践している。簡単だ。国に金をせびるのがいちばん効率的だ。
- 企業なら国策の事業を受注する。
- 人数を集められる組織・地方なら投票をエサに議員に補助金・交付金の新造を依頼する。
- 個人なら働かずに交付金や補助金を受け取る。
最近「働いたら負け」が流行語になっているが、まさにその通りだ。社会主義なのだから働いたら負けというのは真理である。
ただし、ソ連の歴史で判明したように社会主義ではやがて国家が破綻する。破綻が嫌なら自らの行動を反省して改善すべきだが、国民の多数が失敗を認めない反省しないと決意しているのだからどうしようもない。
国に金をせびることなく頑張っている人は憤慨していると思うが、彼らは憤慨し切るとあきらめて日本人のことは忘れて気にしないようにしようとなる。彼らは状況が許せば国外へ出ていく。
日本人は自ら変わることはできないが、これまでは外圧があれば変わることができた。黒船来航や第二次大戦敗戦はよい例だろう。次の外圧と言えばロシアか中国の日本侵略を思いつくが、これはたぶん起きない。ロシアはウクライナ戦争で疲弊してしまって日本に攻め込む余力がない。中国も経済政策失敗で疲弊中なので日本に攻め込む余力はない。中国が侵略出来るのは台湾までだ。そもそも日本には天然資源が少ない。あるのは人的資源だけ。その人的資源がどんどん枯渇していき、日本にいるのは寝たきりと無能ばかりとなったら、侵略する価値がない。あ、なるほど。これこそ最高の国家防衛戦略だ。
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