一時的に口や喉を怪我して食べられなくなった場合に経管栄養補給をすることは何も問題はない。回復が見込める場合の経管栄養補給は治療としては当然だ。しかし回復の見込みがないのに経管栄養補給をするのはどうだろうか。医療関係者の話を聞くと、胃ろうはもちろん、点滴ですら患者本人が苦しいことがあるのだそうだ。動いて管が抜けないように腕や身体をベッドに縛り付けられたりするとか。まるで拷問だ。自分が口から食べ物を食べられなくなったときに治療はどうして欲しいかと医師にアンケートを取ったら、胃ろうしてほしいと答えた人は10%だった。何もしないで放っておいてくれが20%強。興味深いのは(窒息して)死んでもいいから口から食べたいという人が20%弱いた。
欧米では以前は胃ろうが行われていたが、倫理的に問題があることが分かって、今では回復が見込める患者以外には行われていない。欧米では延命のために胃ろうを行うのは、患者への虐待と考えるそうだ。欧米の人は生きるのが楽しくないなら生きる意味はないと考える。欧米の人は生について真剣に考えていると思う。
日本では胃ろうは1990年代に急増してピーク時には50万人が胃ろうを受けていた。日本でも胃ろうで無理やり生かすのは本人が苦しいということが分かってきて、今では20万人に減っている。しかし、本人の意識がない場合に医師の勝手な判断で胃ろうをつけられたり、家族が年金欲しさに胃ろうを医師に依頼する場合もあるそうだ。ひどい話だ。
望まないのに胃ろうをつけられるのを防ぐためには、家族に胃ろう拒否を伝えておくこと、あるいは「口から食べられなくなった時の経管栄養補給は拒否します」と文書に残しておくことが有効だ。
口から食べ物や水分をとれない状態になっても、身体が弱った状態では痛みや苦しみはなく自然に衰弱して死ねるのだとか。自然界の生き物はみんなそうだ。人間だって同じなのは当たり前だ。
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