10月に特に行く用事はなかったのだが、「家は長く空き屋にしているとまずい」ということは知っていたので、風を通しに行ってみた。特に長く空ける準備なしで放置していたので、まずいことになっているかもしれないと思っていた。部屋の中は特に埃がたまっている訳でもなく、蜘蛛の巣が張られている訳でもなく、掃除機かけも必要なかった。台所も排水口は綺麗なままだった。お風呂の排水口も大丈夫だった。洗面所の排水口も問題なし。ああ、結構大丈夫なんだなと安心したが、トイレで驚いた。便器は特に変化はない。しかし、水洗トイレの水タンクからものすごく変な臭いがする。水タンクのふたを開けて見たが、カビが生えているわけでもないし、水が濁っているわけでもない。しかし、水タンクから猛烈にいやな臭いがする。ああ、水が腐るとはこういうことかと初めてわかった。何回か水を流したが、臭いは消えなかった。水タンク内をブラシでこすって掃除しようとしたが、自宅トイレの中ががらんどうの水タンクと違って、最近の車のエンジンルームのようにメカがぎっしり詰まっていて手を突っ込める隙間がない。じゃあ、洗浄剤を使おうと思ったら、タンクにラベルが貼ってある。「洗浄剤は使うな」と。こうなるともう仕方がないので、何十回か水を流すことしかできなかった。
水タンク内の水は綺麗になったはずだが、臭いは消えない。どうも臭いがトイレの壁紙に染みついたような気がする。これは市販の消臭剤というか芳香剤を使うしかないと思い、いったん引き上げた。そして2週間後、スーパーで消臭力という芳香剤を買って仕事部屋に再び向かった。トイレの扉を開けてみると先日のようにはいやな臭いはない。あれ?どうして臭いが抜けたんだろうと不思議に思ったが、せっかく買ったので消臭力はセットした。強力な香りでいやな臭いを打ち消すつもりだったので、香りの強いグレープフルーツタイプにしたのだが、猛烈なグレープフルーツの香りがする。こっちの方が水が腐った臭いより強い気がした。人間の鼻は鈍感なもので、次の日にはグレープフルーツの香りに慣れて何とも思わなくなってしまった。
これからは1月に一度くらいは仕事部屋を使おうと思うのだが、もし100日以上も部屋を空けるつもりなら、水道の元栓を閉めてから水洗トイレを流し、水タンクを空にすべきということを学んだ。
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