2021年1月1日金曜日

哺乳類が1000万年後に絶滅するのはどうやら誤りらしい

2002年、2億年前の哺乳類のY染色体が1000個以上の遺伝子を持っていたのに、今の哺乳類のY染色体は数十個(人間は78個)しかないので、このペースで減るとY染色体の遺伝子がなくなってしまい、1000万年後には雄が絶滅するという論文が発表された。雄が絶滅すると子供が生まれなくなるから哺乳類そのものが絶滅する。実際、一部のネズミ系の哺乳類はY染色体がなくなってしまい、雌だけになってしまっている。これは大変だと一部で騒ぎになったが、どうせ人間は近い未来に絶滅するのだから、1000万年先のことを心配しても仕方がないと思う人が大多数で騒ぎは収まってしまった。私も同じ理由で全然心配していなかった。最近、ちょっと思い出したので調べてみたら、2012年にネイチャーに載った論文で2500万年前の人間の先祖のサルから今の人間になるまでに減ったY染色体の遺伝子数はたった1個であることが分かった。まだ78個あるのだから、このペースで減るのなら何億年かは平気そうだ。

2002年当時でも人間はすぐに絶滅するのだから心配ないと達観していた人が多数派だったが、その達観していた人の人数は今ではもっと増えただろう。よほど能天気でないかぎり1000年後に人間が残っていると考える人はいない。気の毒なのは他の一部の哺乳類だ。どうせ1000万年後には哺乳類は絶滅するのだから人間のせいで今絶滅したとしても生き物の歴史が数億年もあることに比べると大した違いではないと思えたのだが、隕石が落ちてくるようなことがなければ何億年も生きられるはずの種が人間のせいで今絶滅させられている。これは道理にかなったこととは思えない。新型コロナウィルスは中国の山奥にいたなんらかの動物から人間にうつったのだが、これは彼らのささやかな抵抗なのだろう。

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