2020年12月23日水曜日

東京都年末年始の重症コロナ入院患者受け入れに30万円報奨金

東京都が12月29日~1月3日にコロナの入院患者を受け入れた医療機関に、患者1人につき重症の場合は30万円、中症と軽症の場合は7万円を給付すると発表した。これはなかなかうまいアイディアだ。囲碁や将棋で好手を見たときのように感心した。

患者にとってはコロナで運ばれて病院をたらい回しになるのは避けたい。そのためには年末年始でも患者を受け入れてくれる病院が増える方がいい。

東京都は医療機関に年末年始でも患者受け入れ態勢を整えてもらいたい。そのための報奨金を支払う覚悟はある。だが、できれば支払う報奨金は少ない方がありがたい。受け入れ態勢を整えながらも、コロナ患者が来なかった医療機関への報奨金支払いが不要という今回のプランは支払いを必要最小限度に抑えることができる。

医療機関の判断はなかなか難しい。空き病床があって医師と看護師の手当ができるのなら、例年なら年末年始は休むところを今年は報奨金目当てに休まないと判断してもいい。1人1日30万円は医師と看護師の人件費を支払っても利益になる。ただし、それは重症患者が来た場合で、中軽症なら1人1日7万円なので微妙なところだ。誰も来なかったら医師と看護師が休めなかった分骨折り損になる。総合的に判断して受け入れないと決めて、医師と看護師に休みをとらせるという決定もできる。強制ではなく自分で選べるのがいい。もともと休めない救急病院は、コロナ患者が来れば報奨金がもらえるし、他に受け入れてくれる医療機関が増えるのなら自分の仕事が楽になるしで、文句はない。

患者、東京都、医療機関の誰かに一方的に負担をかけない良案だ。三方一両損みたいな感じか。このような半ば博打じみたアイディアを思いついた人(議員なのか職員なのか第三者なのかは不明)は、なかなか柔軟な思考のできる才人だと感心する。このアイディアを却下しなかった小池知事もまあまあだと思うが、あの人は大衆受けすることだけを、たとえ正しくなくても実行するという方針だけでここまで来た人だから、このアイディアを却下する理由がない。小池知事がこう判断するだろうと予想もしてこのアイディアを思いついたのなら、発案者の知恵にますます感心する。

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