2019年8月27日火曜日

円高をチャンスに変えよう

世界経済がリスクオフになると,円が買われて円高になる.リスクオフのときに買われるのは円とスイスフラン,そして金だ.円の信頼が厚いのは良いとしよう.しかし,製品輸出国の日本は円高になると株が下がり,経済が打撃を受ける(今もそうだ).通貨高と株安が相関しているのは世界でも日本だけだ.このメカニズムは異常なのだが,異常が長く続いたので根付いてしまった.それも仕方ないとしよう.
自国通貨高を嘆いているのは世界でも日本だけだ.日本も通貨高を喜べるように変えていくべきだ.ポイントは二つ.
まずは内需の拡大.日本国民がもっと贅沢ができるようにする.贅沢というのは言葉のイメージが悪いが,もっと便利に暮らしやすくするという意味だ.そうすれば,通貨高は追い風になる.他国から便利なものをたくさん買えるということだからだ.このためには国民の所得を増やさないといけない.特に非富裕層の給与の値上げが必要だ.企業が内部留保を積み上げるという今の姿勢を改めないといけない.また,政府としても非富裕層に給付を厚くするという仕組みをたくさんつくらないといけない.
つぎは金融緩和.ありていに言えば一万円札をたくさん刷ること.そのついでに国債をばんばん発行してよい.インフレになるが,それはウエルカムだ.国債を発行して増えた収入で,前記の非富裕層の給付を担保できるし,税金を減らすこともできる.それでもお金が余ったら,国として他国からモノを買えば良い.今のところ,日本製を買うより優れていて,国として買えるモノと言えば米国のF35戦闘機しか見当たらないが,それを100機と言わず500機くらい買えばいい.500機でもたった7兆円だ.この施策は一石二鳥で,国民が潤うと同時に円安の圧力になる.良いことばかりだ.双子の赤字になると騒ぐ連中がいるだろうが,連中はマクロ経済のダイナミクスがよく分かっていないから騒ぐのだ.かつての米国も双子の赤字が大きくて騒いでいたが,結局なんにも困らなかった.円は世界的に(意味もなく)強いのだから,騒ぐ必要はないのだ.円が強いのを生かしているだけだ.この施策を分かりやすい言葉で表すと「裁定取引」になる.経済のひずみを利益に転換するのが裁定取引だ.
この2つを実行すれば円高がうれしくなる.ピンチをチャンスに変えられる.しかも,日本国民特に非富裕層が幸せになる.ぜひ実行すべきだ.

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