どうも私の母がそうであるらしい。くも膜下出血で倒れた後、発見されるまで38時間も放置されていた。MRIを使った診断では出血が多く水頭症がひどくて脳は死んでいるはずで、たまたま脳幹が機能していて自発呼吸だけができているとのこと。手術などの治療は無駄だから何もしないことを医師から勧められて納得してそうした。普通はそのまま死ぬ重症なので、身体の汚れを拭きとっただけでベッドに寝かしておいた。1日1リットルのラクトリンゲル液を点滴しているだけ。最初はまぶたをこちらが指で開けても黒目は動かなかった。何も見えていなかった。37日後の今日は目でものを追えるようになった。話しかけたことにおうむ返しだが返答する。医師が言う「なぜ死なない」。Claude Opus4.8に状況を伝えると「医学的な常識からするとかなり例外的なことです」と言う。1日1リットルのラクトリンゲル液だけでは、脳出血がなくても栄養失調で死んでいるはずなのだ。
異能生存体が遺伝することに私は否定的だった。遺伝するなら発生確率は250億分の1より大きくなるだろうと。しかし、遺伝はするらしい。現在地球上に異能生存体は少なくとも2体いて親子関係にある。私は子供のころからやたら傷や病気の治りが早い。普通死ぬ事故にあっても死なない。単に運がよいくらいに思っていたが、母の不死身を見て運ではないことがわかった。遺伝だったのだ。
キリコがそうであるように、わたしも自分が異能生存体だからって無意味な無茶はしない。ダンプカーに生身でぶつかっていこうとは思わない。しかしダンプカーにぶつかったくらいでは死なないということは既に知っている。
私も母も生身なのだから寿命はあるだろう。不老不死ではないはずだ。
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