以前から本ブログで指摘してきた通り、多くのマンションにおいて管理費と修繕積立金の設定が安すぎる。特に地方の物件でその傾向が顕著であり、運営が破綻するという懸念は今や現実のものとなった。
管理会社が採算の合わない契約更新を拒否する事例が増えている。支払われる委託費が過少であるため、管理会社が事業を継続できなくなったのだ。管理会社が撤退して住民による自主管理になれば、修繕計画の遂行が困難になるだけでなく、日々のゴミ捨てといった基本的な生活維持すら危うくなる。これはマンションが廃墟化へと突き進むことを意味している。
本来、商品の売り手やサービスの提供側が強い立場を保つことは健全な姿である。管理会社が不当な安値での契約を断る判断は、商売の持続可能性の観点から正しい。良質なサービスを提供し、それに見合う高い価格を設定し、価値を理解しない客には売らないという姿勢こそが、商売を長続きさせる。適切な価格設定は、国内においても国際社会においても不必要な敵を作らず、業界全体を存続させるための重要事項である。
品物を安く大量に売るのは思考停止した人間の愚策である。しかし、日本にはこれを理解しているビジネスマンがほとんど存在しない。安価な大量販売は同業者の生存を脅かし、結果として周囲の反感を買う。かつて日本の鉄鋼、自動車産業が世界特に米国から攻撃され衰退したのは、他者への配慮を欠いた自己中心的な安売り戦略の結果である。少量を高く売ることこそが、周囲との調和を保ちながら生き残る道である。ショッピングセンターができて周りの小さな店がつぶれるという現象は、世界共通ではない。日本以外の国では意外と小さな店がやっていけている。その方が自分たちの利益になるとわかっているからだろう。多様性がある方が社会は強靭である。
大量に安く売って自分たちだけが儲かればよいという身勝手な考え方は、国際社会からも、あるいは普遍的な理からも許容されない。日本が20世紀に経験した苦境は、そうした自分勝手な振る舞いに対する当然の報いである。根本的な姿勢を改めようとしない日本が不幸に陥ったとしても、周囲から同情されることはない。それは、時代劇で成敗される悪役に誰も憐れみを感じないのと同じことである。
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