2025年3月4日火曜日

米国が世界の警察の役割を放棄すると米ドルの価値が下がる

米国がウクライナへの軍事援助を一時停止する。世界の警察の役割から降りるようだ。米国がこれまで世界の警察の役割を果たしていたのは道徳のためではない。米国の利益のためだった。世界の警察の役割を果たすことにより米国の信用が上がり、それゆえに米ドルが基軸通貨として世界で通用する。それについては以前のブログで貨幣の価値についてで述べている。米ドルが基軸通貨であるおかげで、米国はいくらでも米ドル札を印刷することができる。米国の双子の赤字は有名だ。米国政府の赤字は日本政府の赤字の6倍もの金額で世界一だが、基軸通貨を印刷できるおかげで赤字などどこ吹く風でこの世の春を謳歌できている。

米国が世界の警察を降りてもしばらくは米ドルは基軸通貨だろう。いくらなんでもロシアルーブルは基軸通貨にはなりえない。国の信用がないからだ。人民元はアフリカや南米や南太平洋で通用するかもしれないが、信用がないことはロシアと変わらない。米ドルに変わって基軸通貨となりうるのはユーロ、スイスフラン、円、英ポンドだ。スイスフランは信用があるが流通量が少ないので基軸通貨にはなれない。円は30年前なら基軸通貨となりえたのだが、今では国の経済的信用が微妙だ。英ポンドは流通量が少ない上に経済的信用も日本並なのでなれない。となるとユーロが米ドルに変わって基軸通貨になる可能性がある。

しかし、フセイン氏が「原油の取引を米ドルからユーロに変える」と言ったとたんにありもしない大量破壊兵器を持っていると難癖をつけて米国はイラク戦争を仕掛けてきた。そしてフセイン氏殺害後に原油取引をユーロから米ドルへ引き戻した歴史がある。貿易に使用する通貨を米ドルからユーロに変えるなんて言い出したらならずもの国家である米国から戦争を仕掛けられてしまう。ABCD包囲網で日本を戦争に引きずり出した時代の米国に戻ってしまった。いや、最初から米国はそういう国だったのだ。先住民が平和に暮らしていた北米大陸を侵略して奪ったのはまぎれもなく米国なのだから。米国は最初からならずもの国家だったことを忘れてはならない。

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