この件はネットで調べると有名な話で、たくさんの故障が報告されていた。分解して調べた有志によると電源周りのコンデンサが劣化したのが原因とのこと。私の100台あまりのPCのうち故障した10台の全てが電源周りのコンデンサ劣化で壊れたことを考えると、コンデンサの寿命が電子機器の寿命を決めていると思うのは的外れではない。
SwtchBot社は中国のメーカーで部品も中国製だ。中国製の電気製品が壊れやすいのは当たり前で、それゆえに安価なのだから我慢して使えと言うことだ。
翻って日本製の電気製品を見ると10年経っても20年経っても普通に動くものが多い。私の持っているPCで古いものは40年以上前のものもあるが、まだ普通に動く。これは一見良いことのように思えるが、実はこの品質が日本を衰退させた。
1980年代は日本の半導体は世界一だった。品質が良い割に安価だったからだ。私のPCで一番古いものは1978年発売のMZ-80Kだが、CPUもメモリもロジックICも全部日本製だった。たまにテキサスインスツルメンツの部品が基盤に載っていたが、外国製の部品がある方が例外だった。
1990年以降に韓国製の半導体に圧倒されて日本の半導体は衰退した。別に韓国製が優れていたのが理由ではない。韓国製と日本製の違いは設計思想にあった。韓国製は「壊れたら買い換えれば良いのだから、そこまで高品質にこだわる必要はない。安い方がよい」だった。日本製は「壊れたら困るから高品質が第一」を維持していた。世界は安い韓国製を選んだ。壊れても安い方が良いのだ。他の部品だって壊れるのだし、壊れることの統計的な制御さえできるなら、安くてよいのだった。これが理解できなかった日本メーカーは、壊れても良いという考え方への転換ができなくて衰退してその後滅亡した。
なぜ考え方を変えられなかったのだろうか。9割は「単に愚かだった」なのだろうが、1割は第二次大戦の影響だと思う。第二次大戦中は日本は兵器特に飛行機の品質問題に悩まさせられ続けた。液体冷却V型エンジンを積んだ三式戦飛燕とか、誉エンジンを積んだ疾風や紫電改ならば完璧に整備された機体(もしあれば)なら、米軍機と互角に戦えた。しかし部品の品質が悪く完璧に整備することはできなかった。飛べない飛行機が多かったし、飛べても本来の性能を出すことはできなかった。
そのときの苦い経験があるから、品質重視の気持ちが強く出たのだと思う。これは1980年までは良い方向に働いたが、その後は悪い方向に働いて日本が衰退する原因となった。
環境は常に変わるのだから、常に考えて学んで最適な方法を探し続けないと未来はない。何かの考え方に囚われてそれを変えない連中は愚か者だ。そういう意味では日本人の99.99%は愚か者だし、世界でみても99%は愚か者だ。しかし周りが愚か者ばかりだからと言って、それを無理に真似する必要はない。
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