ガソリン24.5%、軽油19.2%、C重油16.4%、A重油12.1%、灯油11.7%、ナフサ7.8%、ジェット燃料油4.7%、潤滑油・その他3.6%
だそうだ。
油の値段はジェット燃料がいちばん高く、次がガソリンで、軽油、重油と安くなる。原油から作られるそれぞれの油の割合と価値が分かったので、原油の価格からそれぞれの油の原価が計算できる。
今の中東の原油価格は85ドル/1バレルだ。1ドル=146円、1バレル=159リットルで計算すると原油価格は78円/1リットルだ。
原油からとれる油の割合は上記に示したように、高く売れるジェット燃料とガソリンは合わせて30%で残りの70%はそれより安い油しかとれない。となると78円/リットルの原油から作るガソリンは78円より値段を高くしないと事業の採算がとれなくなる。その採算ラインがおおよそ100円/リットルである。つまりガソリンそのものの原価は100円/リットルである。
世界中の国でガソリンに税金をかけている。日本はガソリン税が1リットル当たり45円くらいだ。外国に比べて日本のガソリン税はかなり安い。この45円の税金も加えるとガソリンの原価は145円/リットルだ。それが175円/リットル(消費税込み)で売られているのだから、消費税16円を国へ払うとガソリン販売店の儲けは1リットル当たり14円しかない。その14円でガソリンスタンドの地代を払ったり、店員さんの給料を払ったりしないといけないので、ガソリン販売は儲からない。ここ20年くらいで、都心のガソリンスタンドがほとんど廃業してしまったのは、地代と人件費を払えなくなったからだ。
ガソリンの原価を知ると都心のガソリンスタンドが消えてしまった理由がわかる。
豆知識1:1バレルは米国では159リットルだ。英国では163リットルだ。米国でも燃料以外の液体を計るときは1バレルは119リットルになり、肉や野菜や穀物を計るときの1バレルの量はそれぞれ違う。バレルとは樽の意味なので、品物によって樽の大きさが違えば中身の量も違ってくる。
豆知識2:世界に4種類の原油価格のめやすがあって、米国産の原油価格はWTI先物で表し、北海でとれる原油の価格はブレント先物で表し、中東でとれる原油はドバイとOPECバスケット価格で表す。それぞれの価格は数ドル違う。WTIとブレントは軽質でガソリンがたくさんとれる原油であり、中東のは重質でガソリンより軽油や重油がとりやすい原油だ。そうなるとWTIとブレントの方が高級で高価だろうと思うのだが(昔はそうだった)、今は産油量が多いのでWTIが一番安い。
豆知識3:ジェット戦闘機の最初期のとき(第二次大戦中)はジェット燃料とは灯油や松ヤニ油であり、安い油でも飛ぶからという動機でドイツや日本はジェット戦闘機を作っていた。ジェット燃料の方がガソリンより高くなったのはその後ジェット戦闘機のエンジンが高度化して以降である。
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