2023年3月5日日曜日

Aの左横がCtrlキーだったりCapslockだったりした歴史の顛末

私はAの左横がCtrlキーだと思い込んでいた口だが、どうもそれは自分の体験した歴史しか見ていなかったらしい。機械式タイプライター用キーボードとしての由緒からするとAの左横は最初はCapslockだった。それはShiftキーのレバーを横から押さえる構造が一番簡便だったため、Shiftキーのすぐ上にCapslockを持ってくるのが一番合理的だったからだ。

しかし機械式タイプライターの時代はやがて終わり、通信端末やコンピューター端末としてのテレタイプライターの時代が来た。そうなるとAの左横という一等地にはよく使うキーがあるべきだ。DECがそれをCtrlであるとした。DECのミニコンではAの左横はCtrlだ。そのためDECのミニコンで作られたUNIXの文化ではAの左横にCtrlキーがあるのを前提としたキーバインドのエディターが作られた。これは同じミニコンのSunの文化にも引き継がれた。

メインフレームコンピューターのIBMは機械式タイプライター時代からのメーカーだったから、コンピューター用のキーボードもAの左横はCapslockだった。私の持っているIBMメカニカルキーボードもAの左横はCapslockだ。ただし、IBMもキーボード設計者が変わるとたまに違う配列を出荷した。83keyのIBMキーボードはAの左横がCtrlの珍しいキーボードだ。84keyのIBMキーボードの一部もAの左横がCtrlだった。しかしそれまでで、その後はIBMのキーボードはずっとAの左横はCapslockだ。

私が16進キーでなくフルキーボードでプログラムをするようになったのはMZ-80Kだが、あれのキーボードは配列を云々するレベルではなくおもちゃだ。よくもまああれを10年近く叩いていたものだと思う。同じ時期にNECのメインフレームACOSを使っていたがキーボード配列の記憶はない。そしてPC-9801に移ってAの左横にCapsそのさらに左横にCtrlとなった。同時にMacintoshも使い始めてこれはAの左横がCtrlだった。就職した会社のマシンがVAX-11だったので、Aの左横はCtrlだった。会社のマシンにSunが加わったがこれもAの左横はCtrlだった。私はこの時代が長かったのでAの左横がCtrlと覚えてしまった。

IBMのメインフレームは凋落したが、IBM-PCで巻き返した。後のDOS/V機だ。これがAの左横はIBMらしくCapslockだった。今のWindows PCはDOS/V機の末裔だからAの左横はCapslockのまま続いている。Macintoshはキーボードのプラグがadb端子だったころまではAの左横はCtrlだったが、プラグがUSB端子に変わったときにCapslockになったと思う(確かではない)。そして今のMacのAの左横はCapslockだ。

歴史を見ると最初はAの左横がCapslockで、ミニコン発明以降の30年間だけCtrlになった。それが1990年以降元に戻ったと言える。今Capslockを使う人は世界的には少数派だ。使う人の少ないCapslockキーがAの左横という一等地にあるのはもったいないように思う。私のようにAの左横にCtrlキーがないとエディターが使えないというミニコンあがりの人間もそれなりに人数がいるようだが(HHKBは約60万台売れている)、多数派ではないのでAの左横をCtrlにせよとは強くは言わない。日本人ならあそこをIME ON/OFFに割り振るのが最大幸福になるように思うが、本当にそうなったら私が迷惑するので自分からそれを言い出すことはやめておこう。

Ctrlキーの他に日本語配列とUS配列の話題もある。私はミニコンあがりなのでUS配列しか受け付けない。Ctrlキーの位置をAの左横が良いと言う人は、US配列が良いと言う人と重複するように思う。

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