2022年12月23日金曜日

フィンランド幸福度1位の理由はシスの精神だ。そして冬戦争で健闘した理由も。

国連の発表する幸福度ランキング1位はフィンランドだ。この理由がフィンランド精神ともいえるSISU(シス)の精神だとあった。シスとは、厳しい環境や逆境を乗り越える勇敢さ、耐性、適応力、自分らしい自然体のことと言われている。

私がシス(当時はシッスと発音していた)の精神を学んだのは40年前だ。米国アバロンヒル社の名作"Squad Leader"シリーズで知った。邦題は"戦闘指揮官"だ。兵士は死んだり、重傷を負ったりすると行動できなくなるのは当然だが、軽傷や無傷でも精神的ショックを受けると行動不能になる。士気喪失状態だ。Squad Leaderではこの状態をPin状態と呼ぶ。Pin状態から通常状態に戻るためには指揮官の存在が必要だ。指揮官が不在だと兵士は永遠に行動不能のままとなる。この指揮官の重要性を示すために題名がSquad Leaderなのだろう。Squad Leaderとその後継作を含めた四部作にはドイツ、ソ連、イギリス、アメリカ、フランス、ハンガリー、ルーマニア、イタリア、ポーランド、ベネルクス3国、フィンランド、日本の兵士が登場したが、指揮官がいないとPin状態からの回復ができないのは各国共通だった。しかし、フィンランド兵だけは指揮官がいなくても兵士だけでPin状態からの回復ができたのだ。この理由がシッスの精神であると説明書には記載されていた。なるほど、冬戦争で圧倒的な戦力のソ連と互角以上にフィンランドが戦えたのはシッスの精神のためかと納得したものだ。当時はシッスの精神とは自立する心と理解していたが、実はもっと広い意味だった。そして、それはフィンランドの冬の厳しさがもたらしたものだ。

冬戦争と今のウクライナ戦争は驚くほど似ている。国民の勇敢さもそっくりだ。フィンランド人とウクライナ人は民族が違うのだが、ここまで似た行動をとれるのはなぜだろうか。共通点は露助の侵略を受けたことくらいなのだが。日本も第二次世界大戦の末期に露助の侵略を受けて、満州と北方領土の住民がウクライナと同様に殺されたり虐待を受けたりした。じゃあ、その経験を糧にフィンランド人やウクライナ人と同じような勇敢な精神を日本人は身につけたのかと言えば、その逆だ。相手が強かったら悪い奴でもしっぽをふることを身につけた。いったい日本とフィンランドは何が違うのだろうか。

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