2022年12月17日土曜日

アフリカのジブチが国として成り立つ理由

ジブチは紅海の出口にある国だ。この国について書かれた安達裕哉さんの記事が面白い。記事を読めば分かるが、とんでもない国だ。記事の中から抜粋すると、
  • 食料自給率3%
  • 35歳以下の若年層で失業率60%
  • ジブチ人は基本的に怠け者で、ミスを指摘しても「私は悪くない」と言い訳ばかりする割には、妬みひがみが多く「自分が儲けるより、とにかく相手に儲けさせたくない」と言う気質のせいで、win-winの思考が苦手。
これで国が安定しているのが不思議と安達氏も述べている。不思議に治安もよい。その理由は安達氏によれば以下の通りである。

--記事より引用--
ジブチはエリート層は、日本よりも「責任感」と言う意味では、圧倒的に優れている。視点が高く「国」を直接背負っているため、彼らの話はスケールが大きい。「持っている人が金を出す」という考え方も日本人にはあまり馴染みがない。
ジブチ人がこのような状態でも、国としてきちんと機能しているという事実は、エリートたちの並々ならぬ努力を示している。
--引用おわり--

ひるがえって日本は食料自給率はカロリーベースで30%以上あるし、失業率は3%くらいだからジブチよりはずっとマシだ。日本人とジブチ人が似ているのは、妬みひがみが多く「自分が儲けるより、とにかく相手に儲けさせたくない」と言う国民の気質くらいだ。ならば責任感のあるエリートが国を引っ張ればジブチと同様そこそこうまくいくはずなのだが。ジブチより好条件なのに、なぜ日本は衰退に向けて一直線に進むのか。

安達氏の記事にあったもうひとつのジブチがうまく行く理由が重要そうだ。

--記事より引用--
その一つの理由は「大統領に権力が集中している」こと。町中や施設内、いたるところに大統領の写真が飾られており、半ば独裁のこの国は、警察が非常に強い。また、国が小さいので至るところに知り合いがおり、相互監視の目が光っている。
--引用終わり--

君主がまともであれば、君主制は非常によい政治制度だ。ジブチがうまくいく理由は君主制(独裁制や専制とも言う)だ。民主主義や社会主義だと国民が意見を言うので、まともな指導者が出て来ても一部の身勝手な国民により指導者がその座から引きずり降ろされることがよくある。民主主義や社会主義は国民が賢くないと正しく機能しない。これは古代ギリシャの賢人も指摘していたことだ。日本は国民が愚かでかつ民主主義なので、よい指導者が現れても国民に足を引っ張られて力をふるえない。そのためにダメになっている。ジブチにいるエリートのような能力を持つ人は日本にもたくさんいるのだが、彼らは愚かな国民に足を引っ張られて力を発揮できない。

ジブチも大統領が代替わりしてクズが大統領になったらダメになる。クズが大統領になる確率は歴史上かなり高いから危険ではある。日本は国民が愚かなままだとダメなままだが、国民が賢くなるとうまくいくように変われる。では愚かな国民が賢くなって、賢い国民が多数派になる確率はどれくらいだろうか。教育に力を注がない限り、その確率はゼロだ。

銀河英雄伝説のヤンウェンリーは「最悪の民主政治でも最良の専制政治にまさると思っている」と言ったが、どうやらヤンは間違っていたようだ。専制政治ならなんかのはずみで良い君主が現れるかもしれない。地球の歴史をひもとけば分かるが20代も王が続くと一人くらい良い王様が現れている。つまり、よい王様が現れる確率は5%くらいはある。それに対して愚かな国民による民主政治は永遠に腐敗したままで、変わりようがない。良くなる確率は限りなくゼロに近い。一人が変わるより多数が変わる方がはるかに難しいのは、確率統計を学べば分かるだろう。

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