2022年8月26日金曜日

必要サンプル数は数百であることを知ると「愚者は経験から学ぶ」が良くわかる

アンケートで精度5%の結果を得るのに必要なサンプル数は母集団の大きさに関わらず約400だ。この数字を導き出す式は「必要サンプル数」でネット検索すると見つけられる。母集団の大きさによらず約400というのは直感に反しておりひどく面白いので、これだけでもごはんがいっぱい食べられる。
相場で勝つためのいろいろな手法が昔から提案されているが、検証回数が少ないとプロには相手にされない。その手法で20回検証して18回勝ったとしても「20回では少なすぎる」と言われる。20回の検証で勝率9割だったとしても、その手法でその後1000回賭けた結果は、数多く負けて資産を失うかもしれないのだ。最低でも検証は400回やれということだ。
これらのことを知ると、ヒトの人生経験が如何に当てにならないか分かる。たいていの人は数回の経験で分かったつもりになって、ものごとを判定してしまう。本当は同じことを400回経験しないと確からしい判定基準は得られないのにだ。
確からしい判定基準を得るためにはたくさんの経験を集めないといけない。そのためには、自分でたくさんの試行をするとか、たくさんの他人の意見を聞くとか、たくさんの本を読むとか、統計データを探すとかが必要だ。愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶという言葉の意味はそういうことだ。
近所をうろうろしている老人に何かを尋ねても、正しい答が返ってくる可能性はとても低い。経験からしか学べない並みの人間の高々数十年の人生経験では正しい答は得られないからだ。間違った意見に惑わされたくなければ、自分で多くの事例を調べて計算することだ。

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