2021年1月14日木曜日

ハック思考と大きな嘘の木の下でを読んで

kindle unlimitedで無料だったので2冊読んだ。

ハック思考 最短最速で世界が変わる方法論 須藤憲司著

大きな嘘の木の下で 田中修治著

須藤氏はリクルートの社員だった人。今はKAIZEN PlatformのCEO

田中氏はサラリーマン経験はなく、ずっと起業家。今は眼鏡チェーンOWNDAYSの社長

たぶん須藤氏の方が有名。でも須藤氏の本を読んでも心に響かなかった。書いてあることは正しい。お金を儲ける方法としてはそれでいい。しかし小さい。品物を良くせずに見た目を変えたり売り場で目立ったりするだけで売り上げを上げている。その手口をハックと呼んでいる。リクルートという非生産的な企業にいたのでこうするしかなかったのだが、買った人の幸せを考えていない。品物を良くしたからたくさん売れたなら、良い物を買った人は幸せだ。しかし、品物の中身は同じで売り方を変えたからたくさん売れた場合は、買った人は他の物でもよかった訳で幸せになってない。売った人も買った人も得をするという商売の基本がわかってない。このような小手先の技で売り上げを伸ばすという話は、いかにもサラリーマン社長やサラリーマン役員が飛びつきそうな話だ。そういう小物相手にビジネスを展開しているようだが、まあうまくいくだろう。KAIZEN Platformの社員は幸せになるかもしれないが、それだけ。国や世界のことを変えて行こうというメッセージを感じない。そして小ずるい手口をハックと呼んでこんな本の名前にしたらしいが、1980年来の筋金入りハッカーの私としては、こんな小細工をハックと呼ぶとはなめてんのかと思った。ここが一番腹立たしい(笑)。

田中氏は前著「破天荒フェニックス」で知った。私は最初はその本をフィクションだと思ったくらい破天荒な社長業の苦労について書かれていた。もちろんこの人も社長だから、目指すのは会社の成長でありお金儲けなんだが、なんか大きく感じる。別に天下国家を論じている訳ではないのだが、心の中に大きなビジョンと一本通った芯を感じる。前著を読むとわかるのだが、田中氏は何度も騙され、裏切られるが、一度も他人を騙そうと思ったことがない。不正義を嫌う。こんな時代に不器用な生き方だと思うが、それがいい。

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