2020年12月19日土曜日

コロナとインフルエンザの死亡率を調べたという論文が紹介されたが

新型コロナと季節性インフルエンザのどちらが危険なのかという興味をひく見出しと共に論文が紹介されていた。

Comparative evaluation of clinical manifestations and risk of death in patients admitted to hospital with covid-19 and seasonal influenza: cohort study

https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4677

紹介記事によると新型コロナの方が死亡率が3~4倍高いと読めるのだが、なんか変だ。これまでの通説ではインフルエンザの方が怖いと言われていたはずだ。で、論文を読んでみたら、論文の結論にはちゃんと書いてある。「75歳以上の人はコロナに気をつけましょう」と。つまり75歳未満の人はインフルエンザの方が怖いということを暗に示唆している。

この論文で行った調査の対象は合衆国退役軍人だ。みんな高齢者だ。論文中の表も「65歳以下」「65歳~75歳」「75歳以上」の3つの区分けしかない。高齢者ほどコロナで死にやすいというのは既に分かっていたので、これまでの知見と矛盾した結果ではない。納得した。

でも、この紹介記事だけ読んで、論文を読まなかった連中が「コロナはインフルより怖い。学者がちゃんと調べた。」とか騒ぎだしそうな気がする。


1 件のコメント:

  1. 同期間の比較ではないにしてもフランスの研究で、コロナ入院患者の致死率はインフル入院患者の約3倍という結果が出てるので、コロナはインフルより危険ではないとは言えないと思います。
    http://www.qlifepro.com/news/20210107/covid19-seasonal-influenza.html
    https://www.okino-clinic.com/blog/1012/

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