1年以上Kindleの中で積読状態だった小説を読んだ。30歳の若い社長が主人公のビジネス小説。若いのに義理堅く正義感がある社長が主人公だ。次から次へと難題がのしかかる。フィクションだから話を面白くしようとしているのだが、こんなに難題が多くてストレスが多いなら普通の人なら社長業を投げ出してしまうだろう。難題の多くは人に由来している。社員が全部真面目で熱心でしかも不正を働かないとは限らない。そのような連中をうまく使って利益を出していかなければならない。社長業は大変だ。とてもやれそうもない。
本を読んでいて気付いたんだが、GAFA+Mのような企業だと、末端の社員が多少出来が悪くても会社が儲かるようになっている。幹部が優秀であれば、末端が多少下手を打っても会社が回るようになっている。だから、社長は幹部の人選びだけに集中できる。社長が起業して会社を大きくしたのだから、それが普通なのだろう。
日本の企業はどうだろうか。なんだか真面目で勤勉な末端の社員のおかげで会社が儲かっていて、おかげで幹部が無能でも会社が回っている風だ。GAFA+Mとは反対だ。これでは真面目で勤勉な社員がいなくなると、とたんに会社が傾くだろう。社員が日本人だから何とかなっている感じだ。
今は人手不足で失業率はずっと低いままだ。優秀な社員は転職すれば、もっと良い会社を選べる時代だ。すると幹部が無能な会社からは優秀な社員が転出してしまうだろう。そして会社が傾く。これから業績が悪化して株価が下がる会社は、要するに幹部が無能ということだ。そういう会社を見かけたら、株の空売りでも仕掛けたいところだが、業績の悪化はゆっくりで株価の下落もゆっくりなので、あんまり儲からないだろう。映画マネーショートの主人公たちと同じ窮地に陥る可能性が高い。止めておこう。
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