2020年2月4日火曜日

映画マネーショートを見た

テレビをつけたら俳優がサブプライムローンがどうとか言っていた。何の番組だろうと見入ったらマネーショートという映画だった。最後まで見てしまった。サブプライム住宅ローン危機のときに空売り(実際にはCDSの買い)をして利益を上げた人の話。ほぼ実話。2007年の早いときに、サブプライム住宅ローンがおかしいと一部の人が気付いた。それは勘ではなく、住宅ローンが返済不能になった比率などの数値データを見て気付いた。そこで、彼らはサブプライム住宅ローンを元にした金融商品(MBSやCDO)の価値がなくなると考え、それらが下落する方に賭けた。これでMBSやCDOが下落して、彼らが儲けたって話なら面白くないのだが、実際(この映画は実話)は違ったのが面白い。サブプライム住宅ローンが破綻を始めて半年もの間、MBSやCDOは下落しなかった。それどころか、新たにCDOをこさえて顧客に売りつけるなんてことを金融機関はしていた。これは詐欺的行為だ。MBSやCDOが下がらなかったため、映画の主人公たちは含み損を抱えて苦しむ。ここで主人公たちがあれこれ動いて、金融機関が不正なことをしていると世間に知らせようと努力するところがスリリングで面白い。結局、主人公たちの努力はあまり報われず、ベアスターンズやリーマンブラザーズが破綻してから初めて主人公たちが買ったCDSは値上がりするのだ。金融業界の不条理が身にしみる映画だった。
日本でも、意味不明の円高に「円高はおかしい、円安が正しい」と言う正しい人たち(私も含む)がいるが、彼らの意見が聞き入れられることも報われることもなさそうだ。なぜなら、円高はレパトリや需給から生じているのではなく、投機筋の円買いで生じているから、そしてそれに乗って儲けようとする他の投資家がいるから。

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