リザバーを使ってカオス現象が推論できるという話だが,いろいろ動かしてみてなんだかなーと思えてきた.推論と言っても直前までの信号を入力して,直後の出力を推論するという話だ.例題にMSO問題(multiple superimposed oscillation problem)なんてのが使われるが,これなんて直前まで上がっていたら次も上がるだろう,直前まで下げていたなら次も下げるだろう程度のアルゴリズムで推論できる.わざわざリザバーを使うまでもない.
じゃあ,為替相場みたいなカオス現象ならリザバーならではの特徴が発揮できるかと言うと,為替相場はリザバーではまったく予測できない(やってみれば分かる).なぜなら,直前までの動きがまったく同じ相場が複数回あったとしても,毎回結果は異なるからだ.これは自動売買のEAを作ったことがある人ならわかると思う.リザバーは相場予測に使えない.もし使えていたら,今頃大金持ちの大学教授がいっぱい出現しているはずだ.そんな人は一人もいない.
それなら,リザバーはいったい何の役に立つのか.結論を言うと,今のところあんまり役には立たないなーと言った感じだ.
リザバーコンピューティングの中のエコーステートネットワークに関しては,エイドリアン君の修士論文が面白くまとめてある.2014年の論文なので結構新しい.
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