2018年7月28日土曜日

別冊NHK100分de名著集中講義大乗仏教

佐々木閑さんの「別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した」を読んだ。インドから中国を経て日本に伝わった仏教は全て大乗仏教だが、大乗仏教が釈迦の教えをねじ曲げ、堕落していった理由がわかりやすく書かれている。堕落した大乗仏教だが、佐々木さんはそれを否定せず、「ひとりでも誰かを救える教えならば、それを認める」という立場をとっている。大乗仏教自体が、悪人も含めて大衆をなるべく簡単に救おうという思想を基にできている。なので大乗仏教徒はキリスト教徒やイスラム教徒を攻撃したりしない。仏教徒と他教徒との争いが起きているのは釈迦の教えを忠実に守っている小乗仏教を信じる国でだけだ。大乗仏教では、宗教間の争いがないというのはなかなか素晴らしいと思うが、それにしても堕落しすぎだ。何もしなくても誰でもブッダになれると主張するのは、相当に無理があると思うよ。私はブッダになるには厳しい修行を必須とする小乗仏教の方が納得できる。ただし、だからと言ってイスラム教徒やキリスト教徒と争おうとは思わない。どんな宗教を信じていようと他人に迷惑をかけるのが良くないのは自明のことだ。

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