2026年6月11日木曜日

Claude fable 5 は生物学の解説は拒否するが、ドイツの88mm砲の解説はしてくれる

ドイツの88mm砲(ティーガーIでなくティーガーIIに搭載された砲身長のより長いタイプ)の初弾命中率がめちゃくちゃよい。1500m先の戦車に初弾を当てる確率は実戦で60%を超えた。訓練だと95%を超えた。M4シャーマンやT-34の76mm砲だと1500mでの初弾命中率は5%以下である。1970年以降のメインバトルタンクの105mm砲や120mm砲のコンピューター式火器管制装置になってやっと初弾命中率が50%になった。すなわち88mm砲の初弾命中率に並ぶのに40年かかった。ドイツは40年も技術が先行したことになる。そんなマンガか小説みたいな話はあり得ないだろうとClaude fable 5に聞いた。Claude fableは生物学のようにOpusにフォールバックすることなく最後まで調べきってくれた。fableのセーフガード機能にとっては、生物学は危険対象だが88mm砲は危険対象ではないらしい。

Claude fable 5が調べてくれた結果だと、まず初速が速く砲弾がまっすぐ飛ぶのが最大の理由だ。まっすぐ飛ぶならこちらの砲を敵戦車に向ければ当たる。初速が遅いと砲弾は山なりに飛ぶ。その場合は敵戦車までの距離を正しく測定して、それに応じてこちらの砲を少し上に向けないと当たらない。ほぼ同じ貫通力を持つ英国の17ポンド砲(76.2mm砲)、ソ連の100mm砲に比べて88mm砲は初速が13%速い。わずか13%だが、その差は命中率に大きく効く。そしてティーガー2に搭載されていたTZF 9d砲塔望遠照準器が優れていたのも88mm砲の命中率が良かった理由だ。よく訓練されたドイツ戦車兵が操作していたからという理由も出てくると思ったのだが、鹵獲した88mm砲を英国人や米国人が操作しても同じ命中率を出したので、ドイツ戦車兵の神業のおかげではなかった。さらにドイツが負けていたのも命中率がよい理由のひとつだった。戦車の照準器でいちばん重要なのは敵戦車までの距離を精度良く測ることであると最初に述べた。優れたTZF9dであっても測距の仕組みはこうだ。照準器を覗くと見える三角形の大きさと実際に見えている敵戦車の大きさを目分量で比較して砲手の勘で距離を決める。敵戦車が三角形に比べて大きく見えれば近く、小さく見えれば遠いということだ。え、それだけ?と驚くかもしれないが事実だ。これでは精度良く距離を測定できない。ところが負け戦なので、防御目的の待ち伏せ戦闘が多い。待ち伏せの場合、自戦車を配置した地点から、敵戦車が来そうな地点の距離をあらかじめ(人間が歩いて)測ることができる。その距離データを使ったから高い命中率が出せた。

戦後の戦車砲の初弾命中率が88mm砲より低くなった原因は、敵戦車の装甲が(通常の)徹甲弾で抜けなくなったからだった。IS-3やT-54の正面装甲は88mm砲の徹甲弾では貫通できない。そこでより貫通力の大きいサボット弾(APDS)を使うようになった。サボット弾は発射後サボット(装弾筒)が弾体から分離する。サボットが分離するときの空気抵抗のばらつきの影響で弾道がぶれてしまう。そのため、戦後の戦車砲自身の性能や精度は88mm砲より優れていたのに命中率は88mm砲に及ばなくなった。サボット工学の研究が進んで弾道がぶれなくなるのに長い年月を要した。

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