2025年7月18日金曜日

SNSが悪いのではない、最初の情報を信じる+確証バイアスという大衆の性質が問題なのだ

SNSによる投資詐欺がニュースになる。SNSなんて信用できない情報源を信じる愚か者がよくいるものだと、まともな人は感想を述べる。その通りなのだが、この現象には理由がある。

SNSだけが偽情報を流しているわけではない。口伝えのデマもあるし、憶測で嘘記事を書いている朝日新聞社のような例もある。テレビ局もやらせ番組を流すし、共産主義国家は政府が嘘情報を流す。こういう偽情報に騙される人とそうでない人の違いは何か。それは最初の情報だけを信じるかどうかだ。大衆は最初の情報だけを信じて複数の情報源にアクセスしないで行動を決める。これはインターネットが普及してからのことではなく、何千年も前から大衆はずっとそうだった。私たち選良にしてみればなぜ大衆はそのような行動をとるのか不思議に思うが、大衆にしてみれば選良はなぜ複数の情報源を調べるのかが不思議なのだ。

最初の情報を信じるという性質以外にも偽情報を信じる理由として、自分の望む情報を信じる「確証バイアス」という性質も挙げられる。これも大衆が持つ性質だ。

大衆であったが努力して選良になる人も稀にいるが、基本的には大衆は大衆のままで賢くなることはない。昭和初期にできた言葉「バカは死ななきゃなおらない」は名言だ。大衆のバカさ加減をなんとかしようとする努力はなかなか実を結ばない。地球や社会に迷惑を及ぼさないように大衆を導くには、上述の最初の情報だけを信じる性質を活用して正しい行動を促すなどの工夫をするとよい。そうなのだが、悪党ほどこの大衆の性質をうまく利用しているのも困ったものだ。

蛇足だが、マイナンバーカードの中に重要情報が入っているという偽情報を技術が何もわかってないバカ役人が最初に流したものだから、この偽情報は大衆の頭の中から永遠に消えないだろう。同じ理由で食塩が健康に悪いという偽情報も、おそらく永遠に消えない。しょっぱくて我慢できない状態になるくらいの食塩の摂りすぎよりも(そこまで塩を料理に投入したい人は誰もいないが)、食塩を摂らなすぎる方が健康に悪いのが真実なのだが。

複数の情報源を調べたから絶対OKという話ではなく、その情報源がどれだけ信頼できるかも吟味しなくてはならない。査読付きの論文であっても、論文で用いられた実験条件をよく吟味しないと信頼できるかどうかはわからない。実験結果の統計的評価方法も、これまで確からしいとされてきた検定方法への疑義が生じている現状もあり、これも基本に立ち返って吟味しないといけない。吟味のロジックを将来変えなくてはならない可能性にも考慮して、常に新たな論文にアクセスして考え続けないといけない。

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