2024年5月1日水曜日

導入部のπの話はよかったのだが 「エッジ」(鈴木光司)

鈴木光司氏の著作はたまに面白い作品があるのでまばらに読んでいた。2008年の出版と古いが読んだことのないエッジを読んだ。導入部でπの値が変わってしまうというハードSFっぽい着想が内容を期待させた。読後レビューでは星5つで採点すると星3つだ。せっかくπが変わるという斬新な着想を得たのに、それに対する回答がうまく構成できなかった。ハードSFとして完成させるためにはある程度物理学と数学に基づいた論理展開が必要だが、それが足りなかった。そもそも鈴木光司氏はハードSF作家ではなく、彼独自の作風で売っている作家なのだからこれでよいのだが残念ではある。

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