2024年4月24日水曜日

金利を上げても円高にはならない

「円安ドル高は日米金利差のせいだけではない」と解説している経済誌の編集者がいた。正しい。さすがに編集者だ。ろくに勉強もしていない経済学の学者よりもよほど正しい判断ができている。

経済学を専門にしている学者や研究者であっても実は大した勉強をしていない。読んだ書籍や論文の数が少なすぎるのが理由だが、範囲が狭いのがいちばんの理由だ。広い範囲の論文をたくさん読まないと真実はわからない。

何万もの論文を読んで、その根底に見えてくるものこそが真実の可能性が高い。そして何万もの論文を読んだ結果たどりついた真実が「なんだこんなにシンプルなことだったのか」と驚くことは経済学に限らずどの学問分野でも起こることだ。

表題の円安の問題だが、円のお札の価値が減っているからというのが本質だ。お札はたくさんあれば価値が減る。日本は社会保障費と地方にばら撒くお金が足りないからお札をばんばん刷っている(本当は印刷しているのではなく残高をキーボードを叩いて増やしている)。お札を燃やして減らす人はあまりいないから、お札は増え続ける。その結果、円のお札の価値は減っている。それだけのことだ。印刷機でどんどん刷った一万円札をありがたく受け取る外国人がだんだん減るのは当たり前のことだ。そのうちドルじゃないと受け取らないなんて言い出す外国人も出てくるだろう。

同じようにお札を印刷している米ドルの価値はなぜ下がらないのか。ひとつは軍事力を背景に世界の基軸通貨になっているため。もうひとつは技術開発に力を注いでいて産業の競争力が高いため。さらにサボりがちな米国人をうまく働かせて高い生産性を実現できるマネージメント技術が発達していることが理由だ。

米国や欧州は人道的にはどうよと思えるような世界的、歴史的な経済的ズルをしているので、何もかも真似をすべきとは言わないが、真似をした方がよいところは学んで真似をすべきだろう。

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