ところが、プロのウインドサーフィンでは風上のマークから風下のマークへ向かうスラローム競技が一般的だそうだ。風上から風下だと早く走れるから迫力はあるが、あまり頭は使いそうにない。なんでそんなのがプロ競技なんだといぶかったが、なんとなく理由が予想できる。ルールが簡単だからだ。
たぶん、ルールが簡単な方が素人受けして商業ベースに乗るのだと思う。ゴルフと野球がそう。テニスもそう。サッカーもそうだ。ラグビーはルールが難しいからプロ競技は流行らない。アメフトは例外的にアメリカだけ流行っている。
ヨットもウインドサーフィンも風上へ進むときは、場所と時刻によって変化する風向きと風速とを読まなくてはならない。頭脳戦だ。だから面白いんだが、風は見えないから観客には何がどうなっているのか分からない。これではプロ競技には向かない。
大衆が複雑なルールのスポーツを好まないのは共和制ローマのころからずっと同じだ。ユウェナリスが嘆いた「大衆が本気になって要求するのはパンと見せ物(サーカス)だけになってしまった」という言葉の中の見せ物も拳闘士の戦いや音楽演奏など鑑賞するのに知性の不要なものだけだった。
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