2019年7月26日金曜日

ローレンス・レビー TO PIXAR AND BEYOND

ローレンス・レビーのPIXARを読んだ。1994年のピクサーはつぶれそうな会社だった。スティーブ・ジョブズが5000万ドルの私財を投じて支えていたが、将来儲けられるというビジョンがまったくない会社だった。そこに最高財務責任者(CFO)として招かれたのがローレンス・レビー。そこからピクサーを立て直す怒涛の3年間が始まる。ノンフィクションだが、とても面白い。事実は小説より奇なりだ。ローレンスはジョブズと話し合いながら会社を立て直していくが、そのジョブズが興味深い。これまでジョブズの伝記で見てきた自分の意思を曲げずに突っ走るジョブズと違うのだ。ジョブズの本意でなくても、ローレンスの言うことを聞くことがあるのだ。ジョブズにも謙虚な面があるのだ。そうなったのはこのときが初めてなのかもしれない。ジョブズは1997年にアップルに戻り、iMac、iPod、iPhone、iPadといったヒット商品を生み出していくのだが、きっとピクサーでの経験がジョブズをさらにパワーアップさせたのだと思う。

この本を読んで小さな会社にとって、最高財務責任者はとても重要なのだと分かった。天才本田宗一郎も、藤澤武夫という経営のプロのパートナーがいなければ、ホンダを今のような大企業に育てることはできなかった。経営なんてちょっとかじればできるだろうと思っていたが、それはずいぶん甘い考えだった。

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