2019年2月21日木曜日

行列と固有値

状態ベクトルX(N次元)が行列W(N×N)によって次の状態へ移る系がある.このときのWの固有値たちはどんなかんじで系に影響するか.1を境にふるまいが変わる.固有値の絶対値が1より大きい場合は系は発散する.1より小さい場合は系は収斂する.こんなことを,以前長沼伸一郎氏が作用行列の話で書いていたような気がする.長沼氏は虚数の固有値にも言及していて,固有値が虚数だと系は振動するだったと覚えている.
固有値と固有ベクトルを習ったとき,何の役に立つのか分からなかった.その後も長く役立つことはなかった.状態を更新する行列を扱うようになって,初めて役に立った.直感的に理解できた.ならば,最初に教えるときに何の役に立つか教えて欲しかったよ.数学者になるつもりはないので,役立たないことは理解しようと思わない.これは私だけではないと思う.
私が大学で教えるとき(アルバイトです)は,教えていることが実生活にどのように役に立つか,未来のためにどのように役に立つかを話すようにしていた.教科書の中身だけを教える方がはるかに楽なのだが,それでは学生はついてこない.

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