強風下の雀

昨日からの強風は今朝もおさまってはいなかった．「こんな風では鳥も飛べないよなあ」と考えながら歩いていたからなのか，道に雀がいた．近づいても逃げない．正面まで近づいて私がしゃがみこんでも逃げない．というか逃げる力がないようだ．翼はきちんとたたまれている．外傷は見えない．なので，強風に逆らって飛んで力尽きたと思われた．こんな日に飛び立つとは，経験の浅い今年巣立った若鳥かもしれない．とにかく，その位置に居たらいずれ車に轢かれる．「暴れるなよ」と思いながら両手で包み込んで持ち上げた．何も抵抗しない．そのまま道の外の風の通らない場所へ移動してそこに置いた．回復力があるならやがて回復して巣に戻るだろう．幸い，この強風ではこの辺りをなわばりにしているとんびや鷹も飛んではいない．そして，この道は小学校の通学路なのだが，いつも大量に湧いて出てくる小学生も春休みでいない．誰にも邪魔されずに休めるだろう．私はその場を離れてまた歩き出した．