ランドローバー社のランドローバー(写真)はアメリカのジープをまねてオフロードを走れる車として作られた。1948年に発売され、エリザベス王女の父親であるジョージ6世に寄贈された。ジョージ6世が崩御した1952年にエリザベス女王が即位した。このときランドローバーも彼女の所有になった。この車を女王が気に入って乗り回している写真がたびたび紹介されたので、ランドローバーは無骨なオフロード車ではあるもののセレブが乗ってよい車と認識されたのだった。
その後、ランドローバー社は本格的に高級車志向へ舵を切り、「レンジローバー」を1970年に発売した。その流れが今に至る。
トヨタがランドクルーザーを完成させたのは1951年で、アメリカのジープそっくりのデザインで名前もトヨタ・ジープBJ型だった。のちにアメリカのウイルス社から商標問題を言われて名前をランドクルーザーに変えた。ランドクルーザーも1970年頃にはずいぶん洗練されたデザインになったものの、オフロード車という立ち位置は変わってなかった。今もそれは変わらない。
スズキのジムニーは1970年に発売されて以来デザインはほぼ同じだ。乗用車として乗る人もいるが、純粋にオフロード車だ。
あの手のオフロード車がセレブに好まれる理由は、オフロードが走れるからではない。車体が高いので乗り込むときにひどくかがみこまなくて済む点と、車内が広い点が好まれている。その点は私もわからなくもない。
オフロードを走る性能はなくなっているが外見だけを似せたSUVという車種もある。これが好まれる理由も上記と同じく背が高く車内が広いからだ。これもわからなくもないのだが、SUVに乗るのは陸サーファーみたいでひどくカッコ悪い。レンジローバーもいくらセレブ向けにいろいろ装備したとしても、元はオフロード車なのだからオフロードで乗らないとカッコ悪い。そもそもエリザベス女王は田舎道を走るためにランドローバーを運転していたのだ。
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