日本以外の国では物価が少しずつ上がっていて、30年前に比べると2倍3倍になっている。これは毎年数%ずつの物価上昇が積み上がった結果だ。ほとんどの国は物価と同じ割合で賃金も上がっているので、その国で暮らしている人にはあまり影響していない。全く影響していないわけではないが、その国がどうかなるほどには影響していない。
スイスを旅すると、以前1000円で買えていたものが今では5000円して高いと感じる。しかしスイス国民の賃金は物価上昇の分上がっているので、彼らは私ほど物価が高いと感じていない。逆に日本を旅するスイス人は以前は50スイスフラン(3000円)で買っていたものが、今では17スイスフラン(3000円)で買えるので物価が安いと感じる。
これは日本の品物の値段が安すぎることも理由のひとつではないかと思った。単純に日本の品物の価格を3倍にして同時に賃金も3倍にしてしまえば(つまり通貨単位を3倍に切り上げれば)、日本に住む人の生活には影響しないが、外国人だけ割安で物を買える不公平はなくなるのではないか。
そんな単純な話ではなかろうとは思う。通貨単位を切り上げても為替レートがそれに連動して変化して外国人にとっての買い物の値段は大して変わらないだろう。日本円の価値が減じている理由は、日本人の労働生産性が低いことが最大要因であることは誰に聞いても同じ答なので、そこを何とかしないとどうしようもないのは事実だ。だが、通貨単位を切り上げると感覚的、心理的理由からちょっぴり日本経済がマシになる気はする。
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